うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

いらねえけどありがとう 村井理子 著

立て続けにエッセイが出版されていて、つい読んでしまいます。

身近な題材(日常)ばかりなのに、こういうものに出会いずらくなっています。

この本は4つの章があるうちの「Capter3 私たちは、他者との関わりで揺れ動いてしまう存在である」のなかに感情を動かされるものが多く、「オムライスを完食できないほどの苦悩」を読んで思い出したことがありました。

 

 

以前ヨガ仲間のかたからこんな話を聞いたことがあって。

久しぶりに会った友人が「82年生まれ、キム・ジヨン」を夫からすすめられて(渡されて)読んだと言っていて、そこに怒りも疑問もなさそうで不思議だったと。

わたしは「なにその新しい地獄 ?!」と言いながらその話を聞いたのですが、そういうことって身近にあるんですよね。

 

 

この本に書かれていた、家事と子育てと介護と翻訳執筆仕事をしている主婦がプチ家出をした後にキッチンやリビングがきれいに磨かれ、キッチン道具のレイアウトが変更されていたという話も、わたしにとっては新しい地獄に感じられます。

だけどこういう気持ちは、文章にするのがむずかしい。

 

 

SNSについて書かれているトピックも淡々と書かれていました。

SNSは楽しく便利なツールだが、距離感を摑めない人、最後まできちんと読んでいない人、とにかくアドバイスしたい人から、想定外の言葉を浴びてしまう場でもある。

問題を「アドバイスをすること」だと思っている人がいるかもしれないけれど、それはリアルでもよくあることで、それよりも「とにかく」の実現性がありすぎるのがSNS

 

 

この本には、いちいち怒りを表明すると大げさだと言われることがユーモラスに書かれています。

親に容姿を腐されるのが嫌で帰省をしない人の気持ちを代弁してくれたり、題材がめちゃくちゃ身近。

友人と話すようなことが書かれています。そういえばわたしが村井理子さんの本を知ったのは、友人が最近読んだすごい本として「兄の終い」を教えてくれたからなのでした。

 

いらねえけどありがとう

いらねえけどありがとう

Amazon