60年代の大映映画「釈迦」を観ました。この映画の感想はどんな角度で書いたらいいやら…というくらい、盛りだくさんです。
わたしは70年代生まれなので、出演している俳優さんで知っているのは3割ほど。特捜最前線のダンディなおじさまと釈迦を一致させることができず、水曜スペシャルの探検隊長とアジャセ王を一致させることもできませんでした。
そしてなにより、この時代の女優さんたちの美しいこと! 悪役もみんな美しい…。とくに山本富士子さんと月丘夢路さんがとんでもない美しさです。なにこの人たち!
釈迦の奥様ヤショダラーはアジア版ブリジット・バルドーのような外国人の女優さんが演じておられます。悟りを開く場面の重要な場面で登場する女性は京マチ子さん。よく京マチ子さんと同じ映画に出ている叶順子さんも、可愛さがやばい…。おきゃんというのは、こういうことやーっ☆
それはさておき。
なにがすごいって、カツシン(勝新太郎)です。カツシンはカツシンとして認識できる。これがどうにもすごい。しかも一人だけちゃんとインド人として認識できる。カツシンのインド力に気づく名作。ここまでギロリとしたインド・アイ(インド人の眼球)を持った日本の俳優さんて、ほかにいたっけ。
中村珠緒さんが探検隊長アジャセ王(川口浩さん)の奥様を演じているので、わたしの頭はかなり混乱しました!
この物語は提婆達多(だいばだった)が登場する仏教の物語を映画で見られるというので観ました。映画自体は仏陀の物語にさまざまなサイド・ストーリー、さらには芥川龍之介の世界まで織り込まれた展開なのですが、これはこれでおもしろい…。
異様な豪華さと工夫を凝らされた数々の表現に刺激を受けました。
わたしは中勘助の「提婆達多」を先に読んでから映画を観たので提婆達多の俗悪っぷりになんの刺激も受けなかったのですが、当時はヤショダラー姫との関係の描き方が問題視されたようです。
なるべく心がガチャガチャしないようにと思って仏様の映画を観たのだけど、妙に気分があがってしまって思わずここで紹介してしまいました。
この飛び出す字! しかも左右からドーン☆ たまらんです。