まったく色気のない旅行記を書いている。切符を買って乗り物に乗って行って帰ってきたという記録をひたすら続けている。ちょっとしたお出かけが大冒険のインドだから、書いているわたしは楽しい。
そんなふうに淡々と書き続けている記録が、読む人にとっては爆弾になることがあるらしい。先日「ギャー」という悲鳴が届いた。
この本屋さんへ、インドで超特大恋愛中の頃に行ったという友人から叫び声が届いた。アツアツのデートの記憶を大々的に解凍してしまったらしい。ごめんな。
友人の元カレの話は少し聞いて存在は知っていたけれど、あまり多くは覚えていなかった。
このことをきっかけに、いろいろ想い出話を聞かせてもらった。わたしの知らなかった、彼女のおどろくほど情熱的な一面も過去のこととして教えてもらった。
彼女はわたしが絶対にしないであろうことをしていて、恋愛中の行動ってこういうこともするもんなの?! と、「すべて真夜中の恋人たち」という小説のなかで石川聖の話を聞いている主人公・冬子のような気持ちになった。泳げるわけではないけれど、溺れ方がわからない。恋愛にはそういうところがあると思う。
誰かの恋の経験談を聞くとき、わたしはいまはそういう興味の発動のさせかたをしているな…と、なんだか妙なことを考えた。そしていちいち妙なことを考えてしまうわたしの観点を、彼女はウンウンといいながら聞いてくれた。ありがたかった。
彼女からは何度か日常会話で「うちこちゃんはブレないよねほんとに」と言われたことがある。
女子トークにありがちな "見た目が好きな有名人" を聞かれて「スワミ・ヴィヴェーカーナンダ。日本人でってことなら、松平健」と答えたりするので、ブレないと言われる。顔、ほぼ同じだからね…。
そんなこんなでいろいろ話してみて、ときにブレるくらいでいるほうが恋のチャンスは多い気がした。でもいいのだ。少ないチャンスでも、その時に立ち上がって目覚めれば!
立ち上がれ目覚めよ (―スワーミー・ヴィヴェーカーナンダのメッセージ―)
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