うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」 小林弘幸 著


よく行く本屋のヨガ本コーナーの近くにあり、読み始めたらヨガと共通することばかりが書かれていて、これはよいと思い読みました。本屋さんナイス。
以下のようなことは、お医者さんにぜひ広めて欲しい。

「ため息をつくと幸せが逃げる」といわれていますが、医学的観点からみると、まったく逆です。息は吐く時間が長ければ長いほど、より効果的に副交感神経の働きを高めることができるので、ため息は体にとって望ましいものです。(212ページ)

ため息推奨!
わたしはむかし会社で愚痴を絡めたポジティブな話を聞く場面で、「○○さんが、いつもため息をついていて…」といわれ、○○さんの批判であるのに「ため息は、身体にいいのよぉ」というまったく空気の読めていないことをしてしまい、要するにわたしはこのとき自律神経が乱れていたことになる。プンスカ!(←乱れたフリ)



以下のようなことも、お医者さんにぜひ広めて欲しい。

 イラッとした時に、自分自身が「怒りそうだな」というのを自覚することも、聞き方上手になる有効な手段です。何かを言われてイラッとした瞬間に、「あぁ、自分はイラッとして、このままだと怒ってしまうな」と客観視するのです。
 人間の怒りと言うのは不思議なもので、自分で怒りを自覚できた瞬間、50%は収まってしまいます。腹が立った瞬間、交感神経がぐっと優位になりますが、自分の怒りを客観視できると副交感神経が高まってきます。(183ページ)

こういう考えかたや「先に怒りを済ませておく」みたいな対処法って、時間はかかるけどもっと早く分解方法を学びたかった! と思う。ヨーガ的なアプローチは前に「イラッときたら、サーンキヤ」というのを書いたことがあります。



以下は、心に留めておきたいと思った箇所。

  • 一般的に、怒りによる自律神経の乱れはだいたい3時間から4時間は持続します。(22ページ)
  • 「あの時はイライラしていたから仕方がない」「ムカつくことを言われたから、つい言い返してしまった」など、気分や状況に責任を押し付けて、言い方で失敗した本質に目を向けていません。だから、失敗を繰り返してしまうのです。(48ページ)
  • 多くの人は、自分が乱れていることに気づかないまま話を始めて失敗します。(57ページ)
  • 不満を抱えた者同士が集まって愚痴を言っていると、不安な者同士で居心地がよくなり、妙に安心した気持ちになります。これを「自律神経の低安定」と言うのですが、モチベーションを著しく低下させると同時に、体調も壊しやすくなる最悪の状態なのです。(65ページ)
  • 男性は30歳、女性は40歳を境に副交感神経の働きがガクンと落ちてしまいます。そのため、放っておくと交感神経が優位なまま夜を迎えてしまい、翌朝になっても疲れが取れず、疲労が蓄積していくという悪循環に陥ってしまいます。(213ページ)

この本にはほかに、さまざまな要件と状況の中で判断をする「箱」を意識するという考えかたがあって、この内容がすごくよいです。図を手帳に描き写して持ち歩いています。


ここ数年でわたしは「余剰エネルギーを燃やし尽くすヨガ」から「アンガー・マネジメントとしてのヨガ」を意識するようになっているのですが、それはどうにもこうにも世の中にばら撒かれる情報が「どうだ? 腹が立つだろう? クリックしたくなるだろう? 人に話したくなるだろう?」という方向に傾いているから。景気が悪くなればなるほどメディアはページビューやバズを作りたがり、怒り(=その出どころは恐怖)を誘う。不安を煽られたら負けみたいなところがある。だからここはゲーム感覚で



 乱れないもんねーーーだ☆



みたいな技術として研磨したい。乱れなさを積極的に楽しんでいく。
そういう意味で、わたしはこの本をすごくおすすめしたいです。


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