スーリヤ・ナマスカーラはAもBも1呼吸1挙動なんだけど、あきらかにBは配分がおかしい。
この部署ととなりの部署の人が同じ給料でいいわけないだろー、というくらい、おかしい(笑)。でも、シーケンシャルなことをする組織というのは、そういう矛盾をはらんでの「まとまり」だったりします。それ含めて呑み込んで練習をするのが、オトナの太陽礼拝Bなのであります。
今回は、たまたま寝癖がいい感じでハネていた人に「今日は髪型が星野スミレみたいでかわいいね」といったら「相変わらず喩えが古いよ!」と突っ込まれたので、記念にモデルをやっていただくことにしました。「そのスミレヘア、いいね!」とわしが言ったから、今日はあなたのスミレ記念日。
無駄口はさておき、
太陽礼拝Bは、そもそも
おかしいんですけど、「いいからやれ」というのが修行の醍醐味ですからね、従いながらも科学する。これが正しい弟子の姿勢です。
わたくしこの部分についてはかれこれ何年も考え続けているのですが、まず「後ろ足のかかとを少し中に入れる」のはひとつまえのダウンドッグの段階の最後にちょろっとやっちゃいます。
で、そのあとは一瞬もロスせぬよう、確実な位置にステップします。確実な位置というのは
ダウンドッグの手足の位置がこうだったら(全部スリッパですけどね)
ここ!
ここに確実に持ってきてください。骨盤の開閉や脚の内側外側の筋力バランスなど与件はいろいろあるのだけど、青のラインをしっかり計算して、足がクロスせず真っ直ぐに踏み出した位置に持ってきてください。
で、踏み込むと
誤認識が起こる。
足の裏が多くの体重を率いて床に触れた瞬間、脳が皮膚や音を通じて「やった感」を認識してしまい、次の呼吸にスイッチしようとしてしまう。
五感が伝達してくる「やった感」をスルーして、息は吸い続けなければいけない。
スルー力(りょく)。
わざと意識してスルーする。
わざと、不自然なことをするのです。
五感は、純粋です。「こんな重みを皮膚で感じたよ〜」「こんな音、来たよ〜」と話しかけてきます。
「うん。しってるー(。-ω-。)ノ」
とやりすごしながら、肺を拡げていきましょう。意識が下半身から上半身へすぐに移行しやすくなります。
ということが瞬間的に行われるのが、アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨーガのスーリヤ・ナマスカーラB。
この仕事配分はおかしいといえばおかしいので、初心者さんが多いときは
- ダウンドッグ=吐く
- 後足かかと入れる=吸う
- 前足踏み込む=吐く
- 上半身立てる=吸う
というように、分解して練習することもありますが、わたしはあえてこの矛盾を受け入れながら「その瞬間に自分の中で起こっていることをおちょくる」ことの楽しみをみなさんに伝えたい。
いや、おちょくっているわけではない。
「五感が受け取った情報をスルーしてやるべきことをやり、先へ進む」
日常に役立ちまくりですよね。でもこういう演習って、普段なかなかできない。身体を使って学ぶ醍醐味は、こういうところにあると思うんです。バガヴァッド・ギーターにもこんな節が多いよ。
やる気出た? 出してね(笑)。