うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! ちきりん 著


人の視点を見せてもらうのはおもしろい。読書の醍醐味。
たとえば世界のお札のデザインを見ても、わたしは『政治家を紙幣に残し続けられる国とは、「それなりの強国だけ」』ということには気づけない。


わたしがこの本を読みながら沁みてきたのは

世界は既につながってしまった。
(異国で働く人々 より)

ということと

人間はたとえ安くても、興味のないことにお金を使ったりはしない。
(若者の海外旅行離れについて〜あとがきにかえて)

外国に行くたびに感じるのは、自分に問うのは、「そこに価値を感じるか」ということばかりです。




出だしで、フィリピンでのこんなエピソードが出てきます。

いいレストランほど「うちは茶葉ではなく、ティーバッグを使っていますよ!」とアピールしたがる

「加工食品の方が高いのが普通」というほうが普通なんだけど、それが普通ではないという状況(豊かさ)について考えるきかっけになる。




旅のトラブルについて

  1. 自分から話しかけた人しか信じない
  2. 「偶然、再会する」のはあり得ないと理解する

というのはおもしろかった。とくに後者。




ケニアのサファリ体験のあとの

楽しいとか楽しくないとか、有意義な人生だとか生きる意義が感じられないとか、社会に貢献できているとかいないとか、そんなことはどうでもいいのです。その前に私たちは、まず「食べ」、そして「生きる」のです。

同じ光景を見て、それでも「かわいそう」のほうを強く感じる人はいるのだろうと思うし、そうでなければ今でも「野生の王国」をゴールデンタイムでやってほしいくらいなのだけど、生で見るって、やっぱり生命力に直接アプローチする効果が絶大。




海外旅行で日本人に出会うと、「違和感」から「感情」までが直列つなぎの日本人ってこんなに多いのか! と思う。違和感から差異を分解して、それぞれの視点を想像して自分が「染まっていた要素」を知る、という段取りを踏んでいる旅仲間との話は楽しい。わたしは「トイレ」の開発ポイントにその国民の不浄観が象徴されると思っていて、だからいつも旅行の記事ではトイレのことばかり書いています。

ちなみに最近は日本人が多様化してきたので、リフレッシュ以外の目的では海外旅行に行きたいと思わなくなってきました。その理由もこの本を読みながら分解された気がして、なんだかすっきりしました。


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