先日久しぶりに「ヴィレッジ・ヴァンガード」へ行ってみたら自分の部屋かと思うようなコーナーがあり、わたしもがんばってインド関連本のリンク集を整理してみようと思い立ちました。
ヨーガ関連は「旅行記です」という体裁の本でなくても中に旅行談があるものが多いので、思い出せた範囲で拾ってみました。沖先生の「秘境インド探検記」は以下のリンクに入れましたが、人名で書棚を作ってある以下著者さんの本は、人名のリンク集からどうぞ。
●伊藤武さん
ヨーガとインド文化をいまもリアルに伝え続けている作家さんの本。いろんな意味で、クールです。
●野口法蔵さん
スリランカ、インド、ネパール、チベット、ヒマラヤでの修行記を出されています。なかでも「人間の頂」は名作。
●山際素男さん
旅行記とともに差別問題を掘り下げる内容の本が多く、佐々井秀嶺さんの存在も、この方の著作で知りました。
以下はいろいろ考えたのですが、結局年代順に並べました。
インドへ行く予定のない、一生行かないであろう人も、読んでみるだけで「自分の心を縛るもの」について考えるきっかけになると思います。
1943年にイギリスで出版されたものの翻訳本。様々なヨギとの出会いのエピソード。
「こういう旅をすると、あやしい人にもいっぱい出会うわけよ」というスタンス。このテの旅行記の中では視点が引けていておすすめ。ラマナ・マハルシ師と著者さんが出会う第9章までを前半で紹介しています。
●秘められたインド(後半)
インドでありがちな「うさんくさい魔術師」たちがどしどし登場する。ヨガでおなじみの、トリッキーなエピソードのオンパレード。
1952年の研究旅行以降の記録とエッセイ。「墓」を通じてインドと宗教観を語るおもしろい旅行記。ヒンドゥー一辺倒でなくイスラーム文化にも触れている、視野の広い内容。
1956年の旅行記。これを読むことで、日本人としての自分がなにをよりどころにして生きているのかを意識させられる、不思議な効果のある一冊。
1962年の本。沖先生のデビュー作。これは日本人として最強のインドヨガ旅行記ではないかと思います。改訂版(装丁デザインが田中一光氏)の「ヨガ入門 精神が肉体を自由にできる」も同じ内容。
1961年12月〜翌年4月までの学術探査隊によるインド旅行記。「裏がえしのインド」の西丸震哉氏と一緒に出かけた旅行記なので、兄弟本のような感じなのだけど、リシケシでのヨガのエピソード記述はこっちのほうが多い。歴史と心の文化が深く学べる一冊。
最首公司氏の「インドはもだえる」の兄弟本。著者さん自体がおもしろい人なので、とっつきやすい。昔のインドを紹介してくれる本として、親しみやすい一冊。「河童が覗いたインド」が好きなら、これもノリが近い。
●ヨガの王国(「裏がえしのインド」西丸震哉 著 より)
上記の本の、リシケシのシバナンダ・ヨーガ・アシュラム「The Divine Life Society」でのエピソードが貴重。
「シャンカラ(Century Books ― 人と思想) 」筆者の島岩さんの留学経験が書かれた旅行記。大学の先生が書いたものなのにまったくそんな感じがしない、おもしろ文体。誰もが不思議に感じることを少しずつ観察して丁寧に紐解かれていて、すごくおもしろいです。
1970年代にIBMを脱サラして、最後はスワーミと呼ばれる人になった科学者の自伝。
●真実への道 ― ヨーギになった科学者の自叙伝(後半)
ヨガナンダさんの影響って、欧米人には絶大たっだのだなと、しみじみ思う一冊。
1974年からの二度のインド旅行記をまとめた1977年の本。この本の中で書かれていることが、「日本人のインド旅行」に対するイメージを大きく形作っている。三島由紀夫氏が「インドは呼ばれる場所」と横尾氏に話したエピソードがあるのはこの本です。篠山紀信氏がサイババに間違われるエピソードがあるのもこの本です。
1988年の本。この本を読んで、インドで現代まで残っている文化は神秘性なんかじゃなくて、「現実に向き合う智恵の継承」なんだと思うようになりました。歴史と心の文化が深く学べる一冊。
1984年の本。ほぼネパールなのだけど、インドから入っているのでインドのエピソードも出てきます。食事と歯の関係について書かれている旅行記。
1985年の本。細密なスケッチとともに淡々と語られる、オール手描きの旅行記。時代を選ばない定番度ナンバーワンという感じの一冊。
1988年の本。大げさな表現がないのがすごく感じよい、さらーーーっとした感じの旅行記。
2000年の本。縁起かつぎのような習慣・風習がいっぱいの、インド人の暮らしがわかる本。
●インド人(後半)
インド流コミュニケーションがわかる。知っておくと、旅がもっと楽しくなるはず。
2002年の本。読みやすくて入りやすい。お友達の旅行談を聞いているような親しみやすさ。
2003年の本。タイトルのとおりの本。インド人がなにを想定してよくわからないことをいうのかがわかる(笑)。
2004年の本。この10年くらいですごく変わる前のインドでもあり、でも根底はかわらないようであり。
2005年の本。インドの独立について、ガンディー以外の視点で追うならこの本がベストワン。
2006年の本、共感するところが多かった旅行記。おすすめです。
この本を読んで、オーロヴィルという素敵な場所があることを知りました。
インドへの感想、スタンスがすごくニュートラル。大げさでないのがいい。
2007年の本。一般社会や経済活動のインドの特徴がわかりやすい。
2008年の本。2000年以降のインドの精神性をリアルに伝えている本。神秘の国、宗教大国とはいえ当然人間社会として俗化していくわけで、それが日常の中にどう反映されているかというのをすごくよく伝えている一冊。
2008年のビジュアル本。まずはイメージから。ね。
2008年の本。インドの教育文化がよくわかる、興味深い一冊。
2009年の本。「いろいろ思い通りにいかない、腹立つインド」が楽しく書かれています。
2009年の本。インド人の異様な頭のよさをかなり的確に分解した一冊。これを読めばインド人のメンタリティのよい面、インド思想と実生活の関係がかなり理解できるはず。名著。
2009年の本。クーリエ・ジャポンの連載をまとめたもの。クールです。