うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「いつもと違う刺激」の効用

ヨガでは同じアーサナを2セット行うとき、あえてやりやすい手の組み方を逆にしてみたりして「いつもと違う刺激」を地味に与えます。「刺激」について、先日紹介した「姿勢保健均整法」に詳しい説明が載っていました。
刺激の種類には大きく分けると圧迫・叩打・振動・触擦・冷温・運動・痛刺激に分類され、神経の生理は圧迫・叩打するとその瞬間から刺激に応じて興奮するという作用を持っているそうです。
ヨガのアーサナでは、かなり地味な圧迫・触擦になりますが、「かすかな違和感」が細かい感覚の存在を示してくれます。


この「いつもと違う刺激」というのは、かすかなものでも「ああ、生きているなぁ」という感覚がしてよいものなのですが、奥ではこんなにいろいろなことが起きている。
文章だったので図にし、そこには記載のなかった「ヒスタミン」についての説明を加えると、こんなかんじ。


(「対内」は、本の記述がそうなっていました)
皮膚への刺激が自助的変換をうながして、産み出された働きが血液に乗って諸臓器へ運ばれ、防衛作用に展開する流れ。


刺激をキーに

が生まれます。
アセチルコリンヒスタミンからなるものを、ビオホルモンというそうです。



その働きをリストすると

というものがあり、新たに登場した「オキトシン」は、性行動を調節する神経伝達物質として注目されたことのあるものだそうです。



ビタミンD以外はいまひとつ馴染みがありませんが、とにかくみなさん、魅力的な仕事をされます。これらをエイヤエイヤ、ではなく、じわーっと地味にやっていくのがヨガの奥ゆかしいところかもしれません。
右と左の入れ替えを続けていると、もともとどっちがやりやすかったのか忘れてしまう「なじんだ」状態になってきますが、そこでネタ枯れしても、ほかにもたくさん、いつもと違う刺激のラインナップには事欠きません。



沖先生は冷温浴やヨガとは違う運動を推奨していて、ありとあらゆるものに「行法」と名付けた、いわゆる「なんでも」スタイル。なんでもヨガになってしまうところがたまらない魅力です。
いままではそれをざっくり「適応能力」の訓練なのだと思っていたのですが、刺激というものにフォーカスをあててみると、「感度が上がるのに、抑制がきく」という両面をもった「適応」という話になる。


「満たされない状況のなかにも足るを知り、そこに神をみる」という精神の教えもすばらしいものですが、「感度が上がったからこそ抑制がきく」というのは、なんとも上品です。もっとも身近な宇宙空間としての身体には、世の中のいろいろなことを受け止めていくための、解釈のヒントがいっぱいです。