以前「マンダラの謎を解く 三次元からのアプローチ」という本をここで紹介したときに、巻末にあった「闇のなかの "立体スゴロク"」に登場する洞窟が気になる! 行ってみたい! と書いた場所へ行ってきました。約束どおり、ゴージャスOLの同僚・リカちゃんが同伴してくれました。腕っ節の強い、たいへん頼りになる女性です。
そこは瑜伽洞(ゆがどう)と呼ばれる密教地底大伽藍で、観光地としての名称は「田谷の洞窟」。JR大船駅から歩いて30分くらいのところにあります。真言宗の定泉寺境内にある人工洞窟なのですが、実際入ってみるとまさに修行洞窟! 小さなメディテーション・ルームがいっぱいで、インドでいうアシュラムそのもの。渋谷から電車で1時間かからずに、こんなところへ行けるなんて、ちょっと感動の近さです。
うっかりこの記事にたどり着いてしまった方のために簡単におさらいしておきますが、なぜこのような場所を紹介しているかというと
- 「瑜伽(ゆが)」はヨガの中国読み。
- みなさんのよく知っている「空海(弘法大師)」さんは、ヨガ宗と呼ばれる人です。
- 空海さんが中国経由でヨガを密教として日本へ持ってきてくれました。
- 空海さんは、ハタヨガ以外の修行をすべて行じ、伝えたといわれていますが、真言宗のお作法の中には屈伸がいっぱいあります。
- 空海さんが開いたのが、「真言宗」です。真言=マントラです。大河ドラマで上杉謙信(阿部寛さん)がブツブツ言ってたアレです。
- 空海さんは書家としても有名すぎたので、「弘法も筆の誤り」「弘法筆を選ばず」の言葉で「ああ」と思う人が多いです。
- 密教の教えに欠かせない要素に、「曼荼羅(マンダラ)」という世界観があります。
- それ以外にも、五大の要素と五輪塔と人体のチャクラの関係など、密教とヨガには密接なつながりが多々あり、書ききれません。
このへんのことは、「高野山記」「空海さん関連本の紹介抜粋」などをお読みいただくと、多少感じがつかめるかと思います。
前置きが長くなりましたが、ここからは「ぶらり探訪記」です。
行きは駅からバス(乗り場は、橋を渡って右折)で、「洞窟入口」みたいなわかりやすい名前のバス停で降りて、目の前。隣はラドン温泉! 次回は温泉にも行くぞー。
ブサイクでなくて安心、の修行像。(まれに見るがっかりバージョンはこちら)一緒に居たリカちゃんは、がっかりしていないうちこを見て「なかなかいい顔じゃない。よかったねぇ」と盛り上げてくれました。ありがとう。
入館料400円を払うと、ローソクをくれます。それを、長い棒にくっつけて入ります。
わーわー。どきどき。中は撮影禁止ですが、こちらのサイトで見ることができます。
中は順路どおりに歩くのですが、ひとりが座れる用の穴がいっぱいあって、壁にも仏像がたくさん彫られています。それを、ゆっくり歩きながら長い柄のついた蝋燭で照らして見るわけです。なるほどねぇ。
途中には金剛界マンダラをあらわす空間があり、対になる胎臓界マンダラをあらわす空間があり、それ以外に阿字観瞑想の空間もありました。最後の出口にある参道のような形になったスペースは、ここに集まって真言を唱えたんだろうなぁ、というつくり。「ボスがここに座って、ここに数名並んで唱えたら、そりゃあよく響いてバイブレーション祭りだわなぁ」などと、絵が浮かぶような空間です。
ローソクはこのくらい余りました。中の絵をゆっくり見ても、1時間あればじゅうぶんで、さーーーーっと歩いてくれば30分かからない空間。ひとりになれる時間に行くなら座布持参でもうすこし余裕を持っていくと良いですね。ちなみに、10月でも中は寒くなかったです。しっとりしていて、あたたかい。
そのあとは、ぶらり旅だっつーことで
商店街で鯛焼き食べたり
純喫茶でウインナー・カフェオーレをいただいたりしました。
お茶をしながら、リカちゃんはわたしの携帯電話を手に取り、まじまじと見て、(待ち受け画像が空海さんで、皮ひもとガラス玉つき)「これさぁーーー、どこかで落としたとして・・・、見つけてくれた人は "おばあちゃん" の携帯だと思うんじゃないかな」と言っていました。リカちゃんの携帯の待ち受け画面は、GUCCIという文字が出たり、砂のように消えたり、また出てきたりするものでした。OLの鏡だ! でもその2秒後に、「わたしも、出たり、砂のように消えたり、そしてまた出てきたりする空海さんの待ち受け画像がほしいなぁ」と思っていました。