うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

オートリキシャーで1時間の移動。料金上乗せ拒否ログ

インド旅行の最終日、リシケシ(Rishikesh)からハリドワール(Haridwar)まではオートリキシャーに乗って行きました。タクシーの半額の300ルピー。1時間の旅。これがねぇ、実際乗ってみると料金上乗せのトラップがあったりします。今日はその拒否ログです。料金については同じ距離を移動したことのあるインド放浪友人から「その距離(22キロ)ならだいたい250ルピー」と聞いていて、人によって値段が変わるものかどうか、ちゃんと前日にオートリキシャースタンドで確認しておきました。300ルピーだと言う。まあインフレしてるし、そんなもんかと。往路で近寄ってきたオートリキシャーのドライバーさんも同じ値段を言ってた。

朝の6時ちょっと前にオートリキシャースタンドから、昨日同様の300ルピーを提示され、「1時間で着きたい」「オーケー」の確認もして乗り込みました。Yシャツを着た、なかなか真面目そうで信用できそうなおじさんです。なーんにも疑ってなかった。


これが、1台目。


そう、乗ったのは1台ではないのです。
20分くらい走った頃でしょうか、急に止まって他のオートリキシャーの青年2人と話を始めています。めちゃめちゃ普通に話してます。とりあえず、そんなときは静観です。
すると、そのおじさんが降り、気軽な服装の青年が運転手に代わりました。しかも、助手席にそのお友達付き。なんだか話の通じなそうな青年です。


そして、きましたよハイ。おじさんの発言。


私が300ルピー、彼に50ルピーだ。彼には降りるときに払えばいいから。


当然のことのような口調で、平然と言います。
そしてうちこは当然、もうすでにリュックを背負い始めています。


わたしはここで降りて、50ルピーを払う。はじめの約束と違うから。


わかったよ。50ルピーはいらない。彼に降りるとき払ってくれ。


もちろん、「sorry」という言葉も表情もありません。そういうもんです。ここで、いちいち腹を立てると疲れます。とりあえず、日記のノートにメモです(笑)。あわてなくてもよい状況確認ができていれば、大丈夫。うちこはそのおじさんが話し始めた時点で、乗客のないオートリキシャーがどのくらいの頻度で登場するか、ずっと観察していました。1分に1台は、通る。乗り換え可能です。
ちなみにそのお友達は、通勤で便乗していただけでした。


車体はそのまま、2人目の運転手でさらに進みます。
車体はそのまま? そう、次は、「車体交換」です。


その青年が走り出して30分。もうだいぶ都会っぽくなってきました。すると、また別のオートリキシャーの運転手と話し始めます。しかも、その相手はその青年よりもずいぶんオッサンで、格好も適当。そのオッサンの話がまた、長い!
さすがに途中で「1時間で向かう約束です」といってまたリュックを背負います。


ごめん! あと1分で話し終わるから。と青年。


相手の適当なオッサンの車が止めてある道の反対側まで、Uターンします。そして、インド人家族がそのオートリキシャーからゾロゾロ降りてくる。そして、適当なオッサンは言いました。


心配しないで。彼らは荷物が多いんだ。君はこの、少し小さい車に乗り換えてくれ。


別に心配はしていません、それより言っておきたいことがある。


オンリー300ルピーしか払うつもりはないのよ。



わかっているよ。



その家族の父親が、「こういうシステムなんだよ」とか言ってくる。それは爽やかに無視。こういう場面でのこういう人は、日本でも無視しますの、わたくし(笑)。絶対に嫌な気分になることが間違いない相手に対しての、「避ける技術」。
適当なオッサンの運転にかわるのがちょっと嫌でしたが、結論、300ルピーで到着。


車体乗り換えはこれ、エコですよね。ある意味。これはこれでいいと思いました。
初めの料金上乗せは、「出たな」と思いましたが、本人たちには「"こいつ"からもっとぼったくってやろう」という気持ちがあるわけではなく、「旅人を乗せたから、いちおう"やっとく"」という感じなのではないかなと思いました。
きっとこういうので、「だからインドは」とか「二度と来たくない」と思ってしまう人がいるのでしょう。でもね、インドも頑張ってるんですよ。それなりに(笑)。
往路では、婦人警官の人がめっちゃ取り締まってたし。


自分が慣れた(決めた)常識に合わないからといって、嫌ってしまうには偉大すぎる国です。宗教もビジネスも、パッケージ化されていないことによる「寛容さ」があります。うちこはむしろ、今回のオートリキシャーのような、こういうことが減っていくのと同時に、原始的に残っている儀式や教えを見せてもらえる機会もさらに「パッケージ化」されてしまうのではないかな、と思ったりしました。
根本的に、万人が平等に飢えたり、万人が平等に潤うシステムではない国だし。オレオレ詐欺のほうが「ニホン、ちょー怖えぇ!」って思うはずですよ、インド人も。



そのあとが、なんかよくてねぇ。ハリドワールで朝食を食べたのだけど、


このお店の人たちが、すごく親切で。
ジャガイモのしょっぱいチヂミ風のものとチャイで、15ルピー。「安くない?」ってきいたら、「小さいのでいいって言ったから」って。不思議だなぁインド。