うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

スラムドッグ$ミリオネア

スラムドック・ミリオネア」を観ました。たくさんの人が観たほうがよいと思うので、ネタバレを回避して感想を書きますから、観に行こうと思っている人も安心して読んでください。
監督は「トレインスポッティング」(エラスティカの挿入歌は名曲! と思う)のダニー・ボイル氏。「トイレ」の使い方が秀逸です。2回トイレが登場しますが、どちらのトイレ・シーンも印象に残ります。
登場人物が幼少の頃から描かれます。「おしん」のように小中大と進化していきますが、とにかくいつまでたっても上下関係が明確かつ堅牢なインドの男兄弟関係の描き方が、個人的には味わいどころのひとつでもありました。身近に数セット、インド人男兄弟を見ているもので(笑)。


これだけの要素をぜんぶからめて主人公がイスラム教徒という設定でエンターテインメントに仕上げ、登場人物の心の描写のセリフが恐ろしく少ないクールさに、「すげーわ」とただただ思っているうちに、エンドロール。ストーリーは複線ありまくりですが、頭はまったく疲れずに観られます。スラム描写童貞だと、刺激が強く感じる人もいるみたいですが、この映画を観て「うわぁインドへは絶対行きたくねぇ」と思うのは正しい運動神経だと思います。
うちこのように「日本人に生まれてよかったね。お嫁に行かないでヨガしていられる。インドじゃブスに生まれるとお嫁に使えないから、油かけられて殺されるヨ」と、ヨガ中にインド人に冗談ぽく言われる生活をしていると、「こんなことがあるの?!」というビックリはないものの、いわゆる人口にカウントされない人びとの描写の配分とか、物乞いビジネスの仕組みとか、とにかく要素が詰まっています。主人公の明確なカースト身分についてのワードは出てこず、「スラムドッグ」のみ。「アンタッチャブル・ミリオネア」とかって表記はできないんだろうしなぁ。

ちなみに、もしここまで読んでから観にいこうと思う人は、以下の金銭感覚を持っていくとよりよいと思います。
(本日の為替)
 ・50ルピー=101円
 ・1000ルピー=2,015円
 ・1000ドル=95,350円
(生活参考/2002年の状況)
 ・デリーで2LDKベランダ・屋上つきの集合住宅に住む家賃 1ヶ月9500ルピー(2万円弱)


ものすごく免疫つけた状態で観にいくことにしようかな、と思う人向けの予防接種本はこちら。
不可触民―もうひとつのインド 山際 素男 著
歓喜の街カルカッタ ドミニク・ラピエール著


以上はただの参考。
深く考えずに、まずは行ってらっしゃいな。すばらしいエンターテインメント映画ですから。

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