本の紹介が続きますが、この本の話をしたら、借りたがっている仲間が行列中なので書きます。
ちょっと身近でびっくりするような出来事があって、「なんで明らかにそんな意味のないことをするのだろう」という思いの時に、自分の日記の下に自動表示されたアマゾンのリンクから買いました。
この本、普通に「占い的」な楽しみ方で読めます。境界性、自己愛性、演技性、反社会性、妄想性、失調型、ジゾイド、回避性、依存症、強迫性の10タイプのパーソナリティ障害についてと、その人への接し方が書いてあるのですが、うちこ的に気に入ったのは、そこに引用されるサンプル偉人のセレクトがニクい。ウィノナ・ライダー、マーロン・ブランド、ココ・シャネル、サルバドール・ダリなどなど。危険性と魅力が背中合わせ。特性を生かすための手引きにもなる書き方で、愛を感じます。「人間嫌い」ではない人が書いている、という点がこの本全体のよさ。
読みすすめていて、どのタイプも「自分にもそうゆうところが多少はあるな」と感じるし、身近な人に典型的な例が当てはまって、「およよ、こりゃ危険」などと思いながらあっという間に読んでしまいました。
最後に、10タイプの中でどの傾向が強いかがわかる採点表みたいなのがあって(もろ、占い)、やってみたら「わたしって悩みがあまり発生しない性格かも」と思いました。
が。他のタイプに比べて「ジゾイド」というのの触れ幅が少し多めの結果。この「ジゾイド」というのは、
<212ページから引用>
修道僧的な勤勉さで、何事も、黙々と続けるのである。実際、このタイプの人は、僧侶に向いているし、このタイプでなければ、厳しい修行は勤まらない。
とあり、さらには
<215ページから引用>
このタイプの人は、関係の親密度が増すにつれて、自分の世界を侵犯されるような気持ちを持つため、恋愛が進行するのとは逆に、気持ちが冷めていくことがある。
んだそうです。自分の世界を侵犯されるというよりも、夢中になっていることと両立できないんだな。わたしの場合。調整スキルはもう日々の仕事で使い果たしてしまっているので、日常で行使するエネルギーが残っていない。というのは言い訳かもしれないけれど。
・・・とまあこのように、わたしのことをよく知る身近な人には「120%、今のあなたじゃん」と言われそうな、ドキッとするような結果。ちなみにサンプルとして出ていた偉人は、昔から好きな哲学者のキルケゴール。この本、怖いよぅ。
このほかに、印象的だったのが
<119ページ 「自己愛性パーソナリティ」の章 「もし自己愛者が上司や同僚だったら」より>
自己愛性パーソナリティの人が、上司や同僚である場合、部下や周囲の者は何かと苦労することになる。自己愛性パーソナリティの人は、仕事の中身よりも、それが個人の手柄として、どう評価されるかばかりを気にしているので、本当に改善を図っていこうと努力している人とは、ギャップが生じてしまう。自己愛性パーソナリティの人は、自分の手柄にならないことには、無関心だし、得点にならない雑用は、できるだけ他人に押しつけて知らん顔をしている。おいしいところだけを取って、面倒な仕事や得にならない仕事には近寄ろうともしない。
能力評価制度の落とし穴。
<181ページ 「妄想性パーソナリティ」の章 「権力者の病」より>
偉くなって、管理職になると人柄が変わってしまう人がいる。自己保身に汲々とする余り、疑り深い思考ばかりが発達し、仕事の中身よりも、自分が失脚したり、責任を取らされることばかりを恐れて、その防御に腐心するのである。(中略)人望がないにもかかわらず、減点法で採点すると、こういう人物は、ボロを出さないので、しぶとく出世したりする。
これ、謎ですね。
なんて具合。健康な人こそ読むべき。
最後に、いろいろな場面で「こんなことで怒ってはいけない」と思ったときに何度も見ているサイトを紹介します。
★泣いた赤鬼 この少ない文字数で、かなり救ってくれます。