うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

最新 ヨーガを始める人のために―図説・からだが語るヨーガまんだら

マントラのCD付で、タイトルは初心者向けのように見えますが、書いてあることはかなりしっかりした内容で、ある程度アーサナを実践したり、インドのヨーガについて興味を持って学んでいる人のほうが楽しく読める内容と思います。というわけで、現時点のわたしには非常にためになる内容ばかりでした。
田原豊道さん監修、そのお弟子さんの荻山貴美子さんが著者。荻山貴美子さんの経歴に「東京瑜伽大学教授」とあり、そんな大学があるの?!と思ったら、日本ヨーガ学会のことをさすようです。あーびっくりした。もういっかい大学生になろうかと一瞬思ってしまいました。
アーサナについては、各ポーズの解説を効能よりも「ヨーガ・スートラ」になぞらえた形で説明されています。いわゆる、エクササイズ的なヨーガではなく、インドより古くから伝わる歴史に密着したスタンスです。さまざまなフロー・ヨーガ(呼吸とともに流れるようなアーサナの組み合わせ)を紹介している本はあまりないので、この本は非常に貴重と思います。マントラのCDがちょっと不真面目に聞くと笑える感じでもあったりするので、思わずニヤついてしまうのですが、ニヤつきながら楽しくやったらよいと思います。
私はアーサナの解説以外のコラムや本の前半と後半に書かれた「仏教との結びつき」に関する内容を楽しく読みました。以前感想を書いたパラマハンサ・ヨガナンダ(「あるヨギの自叙伝」「人間の永遠の探求」)のクリヤ・ヨーガについての解説もあり、ヨーガにまつわる多方面の参考情報が満載で、知識的にすごくお得な内容だと思います。
第三章の「サーンキャ哲学」を体系立てて解説をされているページは本当にわかりやすいし、「瑜伽行唯識派(ゆがぎょうゆいしきは)」の解説もためになりました。これから勉強していきたいと思っていることがたくさんあるうち、もう小さい頃から大好きで、ヨーガとのつながりを知るたびにウキッとしてしまう「西遊記」がらみで以下のような解説がありました。

「瑜伽行唯識派」の「唯識」は「ただ心のみ」という意味で、仏教のなかでも、特に心に焦点を合わせた心理学です。孫悟空でお馴染みの「玄奘三蔵」が、インドのナーランダ寺院で学んで中国に持ち帰ったものです。日本では法相宗として伝播されています。

映像として、夏目雅子様があの服装でヨーガをしていた様を想像するとかなりグッときますね。帽子のトンガリがかなり邪魔ですが。
もともと、ヨーガ自体は母親がやっていたこともあり、なんとなくなりゆきで30歳を過ぎてから健康法的に始めたのですが、小さい頃から大好きな「西遊記」との結びつきが、掘れば掘るほど出てくるのが続いている理由かも。。。
この本のなかに「猿王のムドラー(アーンジャネーヤ・ムドラー)」というフロー・ヨーガのポーズを解説する章があって、「アーンジャネーヤ」というのは以前もこの日記に書きましたが「孫悟空」のモデルとなったといわれている「ハヌマーン」という猿の神様の別名だそうです。
ポーズ自体はカンフーのようなマチャアキ的動きではありませんが(当たり前だけど)、ちょっと小さい頃に憧れた孫悟空になりきってトライしてみたいと思います。

最新 ヨーガを始める人のために―図説・からだが語るヨーガまんだら
最新 ヨーガを始める人のために―図説・からだが語るヨーガまんだら荻山 貴美子 田原 豊道

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