うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

仏教とヨーガ 保坂俊司 著

パリ旅行中に読みました。さまざまな文献の引用があり、興味のある人にはとてもお買い得な本だと思います。特に、第七章が非常に面白い。この章だけでも読む価値ありです。
なるほど、と思う内容が多く書ききれませんが、二つとてもよく覚えている部分を書きます。

<第七章 日本におけるヨーガ より>
茶の湯においては、茶をたてる行為やそれを支える一切の環境が仏教における悟りの道と同置されている。茶を通じて天地自神仏と一体化し、我を超えることこそが茶の湯のめざすところであり、当然その先には、仏教にいう悟りの道が開かれていなければならない。(中略)
 (〜このあとに、剣豪柳生宗矩による『殺人刀』の引用が続く〜)
(中略)まさに、インド的にいえば「梵我一如」であり、日本的にいえば「剣禅一如」、つまりヨーガの道である。

柳生宗矩といえば、大河ドラマ「武蔵」で中井貴一が演じていたあの人なのですが、宮本武蔵の話に出てくる剣の道、書道を通して語られていることにはたしかに興味深いものが多いです。


<第七章 日本におけるヨーガ より>
空海は、入唐してインド人僧侶の般若三蔵などから直接、教えを受けている。彼が終生熱心に「禅法」(この場合は、禅宗でいう禅ではなく、インド式のヨーガ瞑想法。どちらも仏教ヨーガの一形態)を行っていたことが、その書簡からもうかがえる。
(中略)密教では、宇宙原理ともいえる大日如来と人間との神秘的な融合を、瞑想を中心とする種々の行法を通じて目指す。その点では、インドにおいて同じくブラフマンという宇宙原理との合一を説くジュニャーナ・ヨーガとの相似性がみられる。

この本と、この後に読んだ別の本で「空海」についてとても知りたくなり、しばらく「インド」と「空海」が読書テーマになりそうです。
空海」で調べただけでもものすごい数の本が出てきます。時間がいくらあっても足りないなぁ。。。