ひとことで言うと、重い、重たすぎる事実。差別といじめの記録。親を持つ人、子を持つ人、そして女性、あらゆる立場の視点で聞くに堪えない事実が語られていますが、「人が行う行為のむごさ」と「(カーストは廃止されたといっても)大義名分の下に差別というメンタリティが行動に反映されているインド」という国を知るには読んでみる価値のある本です。
たしかにインドではいびつな対人関係を目の当たりにすることがあり、「とても、つっこみにくい・・・」と感じる、書くにしてもオブラートに包むしかないような日常がありました。
が、この本ではよりひどい状況を抱えている農村区の実態についても書かれています。それは、想像をはるかに超えたものでした。
そして、日本では聖人視されているけれどカースト制度自体を否定しなかったマハトマ・ガンジーと、本当の意味で不可触民制度と戦ったビームラーオ・アンベードカルについて、もっと知りたくなりました。