うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ブッダ ── 大人になる道  アルボムッレ・スマナサーラ著

ここ一年半ほどで世の中の状況が大きく変わるなか、「このことについて自分はどう考えているだろうか」と自分に問うトピックの性質が変わりました。
そのたびに、これについては理性よりも感情が優っているな……、そしてその感情は、かつて抱いたこの感情の記憶と結びついているな……、いや待て、そのことといま考えているトピックは全く関係がないじゃないか。これではまるで陰謀論にハマる人みたいじゃないの! と、自分の雑な思考にハッとしたりして。

 

昨年も今年も、これは多くの人にとって同じかもしれませんが、精神修行道場のステージとして慣れないメニューが続く、わたしにとってはそんな日々。そしてここ数ヶ月で、尊敬すべき大人に多く出会えてもいます。
自己を制御しながら、自分の信じたことを自分主導でやっている。批判を受けてもその都度対処し、また歩き出す。そんな尊敬すべき市井の人に出会うなかで気づいたことは、大人ってすごい。ということです。


この「大人になる道」は子ども向けの本です。友人と一緒にぷらっと書店へ入った時に買いました。
レジで合流したら友人も同じ著者の別の本を手にしていて、なんとも中年らしいお買い物ビンゴ。そういえばその友人と、数年前にスマナサーラ長老の説法を聞きにいったことがありました。
友人は長老のアンガー・マネジメント系の本を読んでいて、ヤングの多い組織のなかで、ほんとうによくやっている。ここ数年で話すことがずいぶん変わってきています。


わたしが今回買ったのは子ども向けの本。パラパラめくって「これだ!」と思って買いました。そして全部通して読んで付箋を貼ったところを読み返してみると、やはりいまわたしは「ちゃんとしているとは、どういうことか」の解になるような言葉を探しているのでした。
自分が注目した言葉の共通点を見てみると、わたしは明るくいきたいという意思を持っている。世の中の動きが未曾有の事態で不安定になっていても、わたしはいま、自分が明るくいられる状態について考えたい。その背中を押すような言葉を求めていることがわかりました。

 

そしてそんなわたしに、この本はちゃんと釘を刺してくれます。

心の問題を解決したければ、心から「私が思う、ゆえに正しい」というセクションをカットしてください。
(中略)
 また、みなさんが、花や絵画を見て「ああ、これはきれいだ」と思うのはいいのです。でも、「これ、きれいでしょ」と隣の人に聞かないでください。
<第三章 ブッダ心理学には最終的な答えがある より>

この「隣の人に聞かない」というのは、ほんとうに大切なこと。まったく今こそ、ほんとうに。
ついつい同意や同情を確認したくなるけれど、そのアクションが自分を苦しめる原因でもある。

 

テーラワーダ仏教はどこまでも自己責任論で、いい意味でロマンがありません。そして明るい。明るいんですよねぇ、ほんとうに。あなたがあなたを明るくするのも暗くするのも因果応報だけど、全ては繋がっているのだから、繋がりかたには気をつけないとね、という発想。
そこがいいんですよね。