久しぶりの高野山記です。根本大塔は、わたしの一番好きな場所。
なんとなく、いつもこちら側から入ります。
奥に見える朱色の建物が根本大塔です。
今回は法話のある時間にあわせて行きました。前日に入ろうと思ったら入り口の横に時間の案内があったので、翌朝に出直しました。
わたしは根本大塔内にある、空海さんとその師、さらにその師・・・と遡って並んでいる人物画が好きで、いつもじっくり見てから塔を出ます。
今回は法話を聞くことができたので、お坊さんに以前から気になっていたことをお尋ねしたら、「おっと、そこに注目されましたか」と、たくさんお話を聞くことができました。
わたしがずっと気になっていたのは、「靴」です。
そこにある絵の中の空海さんは、モカシンのような靴を脱いで座っておられるのです。そのことについて訊きたかったのでした。
「あのモカシンみたいな形の靴は、中国にいるときに履いてた靴ですか」
「そうです!」
そこからお坊さんと一緒に真言八祖ファッション・チェックを楽しみました。
インドのお坊さんはビーサンみたいな履物で、中国のお坊さんはモカシンみたいな履物です。空海さんは日本から中国へ行っていた人。
ミックス(混血)説のあるかたもいて(たしか、不空三蔵さまじゃなかったかな・・・)、衣服に微妙な違いが表われているのが興味深いです。
わたしはここに描かれているファッションの空海さんが以前から大好きで、塔の中は撮影禁止なので、いつもその印象を心に焼き付けて帰ります。
めちゃくちゃ真面目なプロ野球選手の私服姿が意外とオシャレでズッキューンと惚れ直した、みたいな気持ちと言ったらわかります?
ずっと前から塔内の絵を「とんでもない知力と体力と神通力を持ったメンズ・ファッション図鑑」として密かに楽しんでいたので、説明を聞いたら何十倍も楽しかったのでした。
そしてこの空間は、座るとやはり特別な空気があります。
かなりポップなのに荘厳。このギャップがたまりません。
中門の四天王をはじめてじっくり見つめた
根本大塔はいつもそこを出ると特別な気持ちになるので、後のことを忘れがちなのですが、今回は帰りに中門をじっくり見ました。
金堂の正面の向かいにあります。
持国天像
増長天。手のひらについ目が行くのですが、胸にトンボがとまっています。
広目天。筆とそれを持つ手指に目が行きますが、胸にセミがとまっています。
そして、多聞天。このかたが今回は妙に気になって。
もしかして、実は笑いをこらえてる?
わたしの気のせいか。
高野山記はもうしばらく続きます。
▼高野山は何度も行っているのでひとつのカテゴリにして過去ログをまとめています。