うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

自分の意見で生きていこう 「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ  ちきりん 著

わたしがここで読んだ本について書くときは「新たな発見があった」という体裁で書くとラクなのでついその手を使ってしまうのだけど、この本はそういうわけにはいかない本でした。

 

 

「考える」「発信する」「自分の場を持つ」ことの重要性について、自分自身にも当てはまることがあるから。


今年のはじめに、わたしがインストラクターを始めた頃のことを書きました。

 

ブログをはじめた30代の前半、わたしがインストラクターになりたての頃は、ヨガのこと以外はよく知らないフリ、端末も使えないフリ、できないフリをしないのはポーズだけ、というくらい削ぎ落とした振る舞いで過ごしていました。
自分よりもヨガ歴の長い年上の生徒さんが多い環境だったので、生意気な印象を与えないように気をつけていました。

 

いっぽう、当時はまだヨガのことをブログに書く人が少ない時代。考えたことを夜な夜な綴ったはてなダイアリーは思いのほか早く生徒さんの目にとまり、更衣室でこっそり声をかけてもらえるようになりました。

「ねえ。ブログ見つけちゃったんだけど。あなた、面白いのねぇ!」と。

そこから年齢に関係なく、ゆるふわではない意見交換のできる人が増えていきました。

 

 

当時ヨガのインストラクターは、モデルのようなスタイルか、無印良品の人間版みたいな人、あるいはとことん話に付き合うタイプでない限り、キャラ設定が難しいのが実情。わたしはそのアンビバレントを、このブログを書くことで避けることができていました。

これまではその恩恵を「ブログを始めたのが早く、 SEOの知識もあったから検索で見つけられやすかった」と思ってきましたが、それだけじゃなかった。
「言わないけれど考えていること」を書いていたのがよかったのでした。

 

 

ヨガのインストラクターは幸か不幸か、意見が生まれやすい環境にいます。
自分はこういうスタンスという考えがたくさんあり、ネタには困りません。
オウム真理教とヨガのこと、高額な瞑想セミナーのこと、アーサナの上達を目指すと伝統萌えの人から邪道視されること、遠征先で集合写真を撮らないところが気に入ったと言われたこと、etc…。ほかにもいろいろ書いてきました。

そうだそうだ、わたしは書いていたのでした。

 

 

この本を読んでよかったと思った最大のポイントは、これが過去形になりそうな自分に気づいたことです。

ちきりんさんは「考えたことを引っ込めるのは、もったいないよ!」と背中をどんどん押してきます。
若い人向けのやさしい調子で書かれていますが、わたしの世代に対しては「意見がないためにどこへ行っても存在がぼんやりする人」にならないように、という警告でもある。

 

 

学校で、職場で、家庭で、あらゆる組織で。
「好意的な反応しかしていないのに、なんで自分は尊重されないのだろう」と不思議に思っている人には耳が痛い、だけどものすごく大切なことが書かれていました。