うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

オーセンティック・コーチング 苫米地英人 著

この本を読んでいる人から目次をちょろっと見せてもらって、気になったのでわたしも読みました。

読んでみたら、これはサンカルパのことを説明しておられる? と思う内容で、コーチングとカウンセリングは別物だということが明示されています。

 

コーチングは社会のなかで現状維持を望まない人(コンフォート・ゾーンに居たくない人)に向けたもので、だからゴールは現状の外側に設定されると説明されています。

事例に嘉納治五郎先生の話が出てくるところがとってもユニークで、ここでぐっと引き込まれました。

柔術」は新たな名前と意味を加味されて「柔道」となりましたが、本当はまったく新しいスポーツでした。しかし、武術の看板だけは外さなかったため、本質が歪んでしまう結果になったのです。これをコーチング的に言うと「コンフォートゾーンを広げてしまう」行為なのです。

 嘉納治五郎先生は、たぶん柔術柔術として嘉納塾で別に伝えていくつもりだったのでしょう。しかし、スポーツ化され、試合形式で順位が決まるようになってしまうとどうしても人はそちらのほうに意識が移ってしまいます。本質を忘れ、試合での勝ち負けや大会における順位のほうに一喜一憂してしまいます。

(第6章 コーチング総論/コンフォートゾーンと違和感 より)

この本を読んでいたら、人は変化を求めもするし嫌いもすると思うときに、これまでひとりで考えてきたことの数々を思い出しました。

上記で引用した柔道の喩えは、オリンピックへの意見も含めて著者個人の思い全開で展開される部分なのですが、伝統や権威に惹かれながら実際に「どこ」に翻弄されているかという視点の持ちかたをリアルタイムで促される。

 

 

日常で役立つ発見もありました。

それは、友人から愚痴や悩みを聞くときは、現状を変えたくない前提だと思って聞くのがいいんだろうな、ということ。現状を変えたかった人は、動き出したあとの事後報告ってことが多いから。

そういえばわたしもこれまで、そうでした。変えるときはもうそこへ向かっている。

身近な人や自分の行動を振り返って、そんなことを思いました。