うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

尾骨を出して背中を伸ばす。猫背をまっすぐにするアプローチ


猫にも磯野家のタマからwhat'sマイケルまでいろいろあるように、猫背にもいろいろあります。
今日は腰に近いほうの背中ではなく、首が前に出て背中が丸まっていく終点のあたり・みぞおちの裏あたりの背骨を伸ばす話をします。ハートを、ラクにするためです。心臓の裏側にスペースを作るのです。チャクラの位置でいうとアナハタです。

同じ背骨でも上部からアプローチしていく際は、まず下部のブレーキをとりのぞきます。尾骨・尾てい骨(びこつ)という、背骨の一番下のところが猫背を誘発する形になっていると、背中を伸ばそうにも伸ばしきれなくなってしまうのです。


 尾骨が入っている状態=ぬるっと入った座薬が出てこないようにする感じ


です。
座薬を入れたことのない人向けの説明ができない。そんな自分の力量が、心苦しいところですが、
あえてほかの例を探すなら



 うっかり「ええっ?」と便意を催した時に、「あと5秒待って!」と引き入れる感じ。



不衛生な環境でのアジア旅行で、わたしはよく尾骨を入れています。
お尻の穴の奥がこのような状態になっていると、背中の真ん中がよく伸びません。



  背中の真ん中を伸ばすには「尾骨をしまい込まない」という状態にしておくのがよいです。



どんな状態か。
ひとことでいうと、


めっちゃ膝を開いて深く入ったヤンキー座りの状態の尾骨の状態です。
「めっちゃ膝を開いて」「深く入った」が重要です。





横から見ると





こうなります。
もしこの人が犬やキツネだった場合に、尻尾が真上にぴーんと立ちそうな、そんなお尻の穴の状態に近い、そういう背骨の根っこを意識します。角度としては本当に微妙な、ミリ未満の感覚の話です。段階を追ってみてください。





高梨沙羅さんがジャンプをした瞬間! みたいなイメージ。
この腰つきを記憶したままダウンワード・ドック(アド・ムカ・シュヴァナーサナ)ができるようになると、猫背をまっすぐにするアプローチにつながります。


↓↓↓ ここからが、日々のダウンワード・ドックで気にするとよいポイントです ↓↓↓




「細かすぎてわからない間違い探し」みたいな写真ですが、ちょっとカカトを上げるだけで、背骨の状態が変わります。
上の写真:漠然とがんばるとそうなりやすい状態
下の写真:カカトを降ろすことは後回しにして、背中の伸びを重視した状態





下の写真に線を入れるとわかりやすいかと思います。背中の真ん中が微妙に伸びています。
ダウンワード・ドックで、講師が「膝は曲げてもかまわない」といっても、「あの△(山型)が作りたい! カカトを床につけたい!」となる気持ち、わかるんです。わかるのですが、ヨガは背骨を整えるためにやるものです。
なので、カカトを床につけようとすることによって全体が「半円のかまぼこ型」になるのであれば、少し膝を曲げて山の頂点を作るほうが、優先順位に対しては忠実です。ヨガがエクササイズではないといわれるゆえんには、こういう要素もあります。
このポーズの重要な点は、太ももや膝の裏を伸ばす以前に、背骨を伸ばすこと。なので、何度もやって呼吸をして、背骨がしっかり伸びてきたな…となったら、はじめてカカトを床につけにいこうとするくらいでかまいません。
そのほうが、背中の真ん中が伸びます。そしてこのとき、

  • ヤンキーの腰つきで
  • お尻の穴から頭のてっぺんまでをできるだけ長くする
  • うなじを長くする
  • 耳と肩を近づけない
  • 手の指を全部開く(中指と薬指の間もしっかり)


この5点を意識するとよいです。膝裏や太ももの裏は、ほかのポーズの動きも含めて総合的に伸びてきます。



上は両方ともがんばってカカトを床につけた状態ですが、右のほうがみぞおちの裏がまっすぐです。
頭を中に入れると自分の感覚では伸びた感じがしますが、横から見ると耳の穴が腕の横にあるくらいのほうが、はじめのうちは背中が伸びやすいです。(頭を入れると伸びた感じがするのは、わきの下が伸びるためです。下を向くと、このあたりの区別はわかりにくくなります)
ヨガの目的は管を浄化することで、背骨をまっすぐに伸ばすことがそれと連動していると考えられています。これは経験からですが、わたしは耳の穴が腕の横にあるくらいの位置でやるほうが、鼻も喉もよく通る感じがします。特に花粉の季節になるとよくわかります。


心臓は高さで言うとみぞおちの裏の位置にあるので、ここをゆったりしないと、どんどん猫背になってしまいます。ここを起点に心が閉じてしまうことのないように、ここをラクにしてほしいのです。そうすると、呼吸もラクになる。呼吸がラクになると、気持ちもラクになりやすい。
なので、なんだか胸がざわめいてガッチガチだわーというときは、「ヤンキーの腰つき」でやってみてください。


ね。(このポーズについてはInstagramのほうで軽〜く掘り下げておきました



▼おまけ(「ほかのポーズの動きも含めて総合的に膝・太ももの裏を伸ばす」の参考)