うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

黒蜥蜴 江戸川乱歩 著


観劇の前に、昔原作を読んで映画を見た「黒蜥蜴」を再読しました。全集を借りてきて読みました。
わたしは子どもの頃に学校の図書館でなかなか借りられなかった(すごい人気で順番待ちが長かった)江戸川乱歩を、10代後半〜20代の頃にたくさん読みました。
仕事が忙しくなってきた20代中盤以降はあまり小説が読めずエッセイや旅行記ばかり読んでいましたが、江戸川乱歩はその頃でも読めました。
自分の給料で本を買えるようになってから、思いきりそこに小遣いを投入していた時期もありました。池袋の文芸坐という映画館で乱歩特集が開催されたときは連日行きました。美輪明宏さんが丸山明宏さん時代の「黒蜥蜴」は、何度観たかな…。戯曲を書いた作家・三島由紀夫がムキムキマッチョなボディをさらして演技者として登場しており、不気味な佇まいにすごくどきどきしました。松岡きっこさんのかわいさにも射抜かれました。「松岡きっこ 黒蜥蜴」で画像検索をすれば、きっとあなたも射抜かれることでしょう。ローラか! とつっこみたくなる勢いです。


わたしが少しずつ小説が読めるようになったのは、ここ数年のことです。小説をたくさん読んでいる友人が、わたしが読めそうなものをすすめてくれたおかげです。わたしからの持ちネタとして江戸川乱歩しかお出しできるものがなかったのですが、その友人が中谷美紀さん主演の「黒蜥蜴」の舞台を観に行こうというので再読しました。


この物語はいま読むと、ホテルに滞在するときの感じ(鍵とか通路とか)や東京・大阪の地理も景色も経験に照らし合わせることができるので、想像で補っていた頃とはだいぶ違った感じがします。より探偵と怪盗の心のやりとりにフォーカスできる。移動やトリックに気を取られなくなるぶん、ああこれは恋の物語なのだいうことが今さらわかる。




舞台は休憩を入れての3時間。元がけっこう長いので、いきなり誘拐のところから始まる! そこまでショート・カットしても、3時間。かかるか。かかるよなぁ。
3時間もあの雰囲気のなか、音楽もファッションも最高にかっこよくで、日生劇場の中はまるでガウディ建築のよう。夢のひと時でした。
その日わたしは黒ベースの昭和柄ワンピースに赤い口紅、髪も化粧も黒蜥蜴モードで出かけたのですが、友人からあとで「わたしもそういう服装をしたい」と連絡が。新宿住まいの人だから、いつでも行くところはあるだろうに…。原作のG街って、新宿じゃないの?
わざわざ昭和なドレスでレトロな純喫茶へコーヒーを飲みに行くとか、そんな散歩もよいかもしれない。


青空文庫、出てるんですね! はまりすぎないようにしなきゃ…

黒蜥蜴
黒蜥蜴
posted with amazlet at 18.02.14
(2016-11-29)