うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

松山市立子規記念博物館(松山市・道後温泉)


20時間だけ松山で過ごしてきました。道後温泉は路線バスの終点で空港行きのバスも停まるので、すごく便利。しかも目に入るものがいちいち昭和。そして想像以上に「坊ちゃん」だらけ。
今日は行きたかった場所のひとつ、正岡子規博物館の紹介です。わたしは正岡子規の本をばっちり読んだことはないのですが、上野の美術館へ行くときによく記念球場の横を歩くので、「野球を日本に紹介した人」と思っていました。教科書で写真は印象に残っていて、歌人というのもなーんとなく知っていた気もするけど、種田山頭火などのほかの有名な人と区別がついていたかと言えば、そんなに真面目に勉強をしていなかったわたし。それがここ数年で、夏目漱石とめちゃくちゃ仲が良かった人ということでいろいろ知ることになり、博物館へ行ってみました。


これは駅前の正岡子規さん。そうそう、わたしのイメージはこんな感じ。





道後公園の横にあるこの建物が、松山市立子規記念博物館
動画を全部見たので、それだけで1時間以上居ました。中村雅俊主演映画「坊っちゃん」も数分見ることができるのですが、これけっこうキャスティングはまってる! いい!
都会から来た先生に「もうちょっとゆるゆるやってほしい」と訴える生徒のセリフを映像とともに聞くと、「ゆるゆる」という表現がいまどきに感じるのもおもしろい。

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愚陀仏庵の再現ルームもありました。



この愚陀仏庵に関するエピソード動画の中で、ここで食事をたくさん注文(出前?)したりしてツケをためまくっていた正岡子規夏目漱石にあっさり「君払っておいてくれたまえ」と言ったというような話があって、三四郎と与次郎の関係みたい! とひとりで盛り上がりました。ああ誰かと共有したかった…。愚陀仏というのは夏目漱石の俳句のペンネーム。ここで1ヵ月半くらい同居していたそうです。


展示は松尾芭蕉の歌のすごさを知ることにもなる内容で、すごく面白かったです。
それにしても松山はすごいですね。漱石が10年前の松山の思い出を発酵させてコケにして2週間で書き上げた物語に「有名小説の舞台になったぞなもし、ひゃっほーい」の勢いを100年たっても衰えることなく続け、けなされたぶんを減価償却するにもほどがある。坊ちゃんより図太いっていうかこれ、完全に松山の勝ちでは。
マドンナは小説の中では実際そんなに役として重要人物ではないし主人公とはそんなにからまないのに、いろいろ商品化されている。これは 松坂慶子効果でしょうか。それにしてもあの小説を読むと、行ってみたくなるんですよね松山。90%以上コケにしているなかの、こういうのが際立っている。

庭は十坪とほどの平庭で、これという植木もない。ただ一本の蜜柑があって、塀のそとから、目標になるほど高い。おれはうちへ帰ると、いつでもこの蜜柑を眺める。東京を出た事のないものには蜜柑の生っているところはすこぶる珍しいものだ。あの青い実がだんだん熟してきて、黄色になるんだろうが、定めて奇麗だろう。今でももう半分色の変ったのがある。婆さんに聞いてみると、すこぶる水気の多い、旨い蜜柑だそうだ。今に熟れたら、たんと召し上がれと云ったから、毎日少しずつ食ってやろう。もう三週間もしたら、充分食えるだろう。まさか三週間以内にここを去る事もなかろう。

このツンデレな感じがたまらない! これは日本一のご当地ツンデレ小説かもしれない。松山はラッキーだなぁと思う。
今回はターナー島のほうへ行けなかったから、次回は海のほうへ行きたい気分です。