うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

どこまでを自身の経験不足ととらえるか

「資格をとって名乗るまでは簡単、売るのが大変、続けていないとカンが鈍る」というのはさまざまな職種に共通するようで、最近は同世代で独立している人と話をする機会が増えています。わたしはウェブの仕事でフリーランスの人に協力をお願いすることがあるので、いろいろな人のスタンスを見る機会があり、ヨガとの共通点をときどき見つけます。
日々のなにげない知人づきあいでも、これからなにかを始めたい人・転職したい人が多いのか、「雑談かと思いきや、これは相談なのか?」という展開になることがあります。今日は「話を聞いていて1年以上状況が前に進まない人は、ここが冷静でないかも」と思うところを文章化します。



 「市場観察」と「経験不足」の切り分けをしていない



たとえば採用で落ちても「悪い人にあたった」「縁がなかった」くらいに思っているように聞こえます。「縁」という日本語はナマナマしさを消して角が立たないようにするときに使う表現で、採用されたい側が使うのはヘンです。
採用する側の人の視点を想像すると、顧客に対して上記のようなスタンスで向き合う人を採用するのはリスキーと感じるんじゃないかな。素人のわたしが雑談でなんとなく気づくくらいなので、採用面接をたくさんしている人は、そこを見抜きそう。
これはわたしの経験から思うのですが、「市場のいま」と「自身の経験」を細かく見ることができれば、組織や人を悪く言うようなことは発生しないし、経験がないなりにおもしろい方向に転がったりします。(おもしろがることも、本人の中で起こるのですが)



ここからは具体的な設定があったほうがわかりやすいので、「ヨガのインストラクターとして、組織に採用されたい人」を例にします。
まず状況として、募集がある時点で以下のような背景のバリエーションがあると思われます。

  • サービス利用者が増えて仕事が多いから採用募集している
  • サービス利用者に関係なく欠員が出たのでその穴埋めのために採用募集している
  • サービス利用者は横ばいだが収益があり、組織人数を増やしたい(右肩上がりに見せたい)
  • サービス利用者層が変わったので、それに合う人材を採用したい
  • 新スタジオ・新サービスの立ち上げで人員を募集している
  • 経営者や人事担当者が変わり、新たな採用ポリシーで募集している

などです。
これが「1階層目」で、さらに「2階層目」があります。たとえば「サービス利用者層が変わった」のであれば、それはどう変わったのか。

  • 妊婦さん、ママさんが増えた
  • 男性が増えた
  • 腰痛持ちの人が増えた
  • バリキャリOLさんが増えた
  • 平日休みの人が増えた
  • レベルアップしたい人が増えた
  • プライバシーを気にする人が増えた
  • つながりや人間関係を求める人が増えた


などなど。
単純に「売上げが上がっているから募集をしている」というのは、そんなに多くないんじゃないかな。毎年多くの事業者が参入し、消えていく市場です。ヨガ事業はイメージがよいので、企業単位で見たときには、別の事業で収益をあげつつ「ヨガの学校もやってるよ、くらいでいい」という場合もあるでしょう。修練型のクラスは、多くは求められていません。
なので企業や組織にぶら下がるのであれば、先にリストしたようなパターンを細かく想像し、それぞれのパターンへの自分のスタンスをあらかじめ決めておく必要があります。



「経験」は、実は本番でしか確かめようがないです。
すでに経験が実証されている人は、メディアに出てこなくても業界内の信用情報網やSNSつながりの人脈でうっすら知られたりしているので、多くの説明を必要としません。多少単価が高くても一本釣りしたい、という採用もあるでしょう。
なのでオープンな募集では、「経験ゼロではない」くらいのことが伝わればよいんじゃないかな。多くを語ると墓穴を掘りそう。
先に書いたことと関連しますが、たとえば「プライバシーを気にする生徒さんが増えた」という状況の場合、インストラクターの経験は少なくても、病院や個人情報を扱う企業で働いた経験のある人は魅力的です。もし神経質な人が増えて雰囲気が微妙になりつつあるスタジオに「お客様センターで働いていました」なんて人が来たら、経験はさておき採用したくなります。
結局はトータルで「いま対応力を上げたい要件について、いちいち言わなくてもわかることが多そうな人」が魅力的に映ります。



まずは「市場」の「状況」をじろじろ見る視点が重要なんじゃないかな。
観察が済んでいれば、面接で質問したい具体的なこともリストアップしやすいです。



「あの認定証があれば…」「この養成講座を受ければ…」という動きをしている人は、「自分がジャッジされる」ということについて、振り返りかたがゼロかイチに寄りやすく、「否定された=自分はNG or あの企業は悪い」「否定されたくない=細かいことは考えない」になりやすいのではないかと推察します。
落ち着いて材料を集めて観察して、状況を探して狙っていくといいんじゃないかな。新しくスタジオができたという募集なら、その駅まで行ってヨガクラスのある時間帯の人の動きを駅の近くのカフェで観察してみたらいい。近くのお店を見れば、その周辺の「ノリ」が多少つかめたりします。コートの襟を立てて、探偵気分でやってみると楽しいですよ。
「悪い企業・憎い人」が増えて恨みっぽくなるスパイラルは、なんとしてでも避けましょう。好きなはずのことが嫌いなことになってしまうのは、たいへん悲しいことです。年齢を重ねるほど、とくに身体を使う技術は、新しく夢中になれることが見つけにくくなります。特にヨガは脚とか上がらなくなるし(笑)。
なので、まだ脚もそこそこ上がる年齢で悩んでいる人がいるなら、



 まずは、自分専属の探偵になりましょう



です。


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