うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

孤独の価値 森博嗣 著


これは、子育てをする人にもおすすめ。理由は読めばわかる。
「記憶すること」そのものは脳のメモリー機能だけど、それを「刻む」脳の作業には習慣や癖が積み重なる。子育ての時点で「比べ癖」「恨み癖」のようなもののインプットが減らせるとよいと思う。もちろん、親の精神状態も含めてだけど。
この本は、こころの動きかたについて、著者さんの経験と観察から出たきたものをベースに書かれています。

孤独とは、基本的に主観が作るものなのである。
(孤独を作るのは自分 より)

というのは、あたりまえなのだけど、そうでない世の中。まずここのおさらいからはじまります。



わたしは、この本の中にあった

 考えることは、基本的に自分を救うものである。考えすぎて落ち込んでしまう人に、「あまり考えすぎるのは良くない」なんてアドバイスをすることがあるけれど、僕はそうは思わない。
(虚構喪失の孤独 より)

この部分に至る前と後だけでも、「同僚世界」「ママ友世界」「お稽古ごと世界」に疲れている人は今すぐ読んだほうがいいとすすめたくなる内容。


中盤の「個人主義に対する拒否反応」の章で書かれている犯罪への視点は、わたしも普段そのように感じていること。ここにはその例は出てこなかったけど、慈善活動家の犯罪にも同じことを感じています。引用しないので、気になる人は読んでみてください。

現代人は「絆の肥満」になっているといっても良いだろう。
(孤独を目指すダイエットを より)

主体的に生きている人ほど、絆って自由を奪う要因になることが多いんじゃないかな。おのおのが考えて動ける者同士であれば、絆なんかなくてもいきなり協力できたりする。(「絆という名の顧客」の場合は戦略的なものなので対象外です)


絆を可視化した商品が世の中にあふれる状況への指摘も含めて、多くの人の悩みの種のからくりとてもやさしく説明されています。おすすめ。


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