うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

内臓を強くする整体法―内臓力を回復して体の中から若返る 井本邦昭 著

これまで整体の本は何冊か読んできましたが、これは手元に持っておきたいと思いました。こんなに手ごろな価格で、こんなにヨギ向けの整体本はなかなかないと思います。普段ハタヨガをやっている人なら、掲載されているポーズをヨガのポーズに置き換えて解釈できる部分が多々あります。


何箇所か、メモしたいと思った箇所を紹介します。

<33ページ 「風邪もひけない体」は不健康 より>
 日常生活では感じにくいかもしれませんが、動物に夏毛と冬毛があるように、人間の体も四季を通じて変化しています。次の季節に適応し、より快適に過ごせるような変化が体内で起こるのです。
 たとえば、冬に近づくにつれて皮下脂肪を蓄えやすくなる、春になると骨盤がゆるみ皮下脂肪がとれてくる、そして、梅雨の時分には夏に向けて汗の出やすい体質へと変化していく……私たちの体にそういった季節的な変化を促し手助けしているのが、季節の変わり目にひく風邪であり、それに伴う発熱です。
(中略)
熱は最近やウイルスだけでなく、体内にある悪い細胞も退治し、同時に元気な細胞を活性化させる働きがあります。

たしかに、高熱の後の浄化作用は異常なスッキリ感。季節の変わり目にヨガをしっかりやっていると、逆に「出そうで出ない」感じがあったりします。小出しにしていると、出すに出せないのかも。こんなときは、前日までとことんヨガして過剰エネルギーは出し切っておき→翌日は高熱ギリギリまで仕事→その夜は高熱で寝込んで10時間寝る(普段の倍)→翌日午前だけ仕事を休んで持ち直す、というのが最良のパターン。仕事に穴をあける時間を最小限に減らす技術、と思っています。



<54ページ 力を呼び込み、活力を取り戻す より>
 どこかでひどい硬直を起こしている人は、多くの場合、それと対応する箇所がゆるみきっています。ちょうどよい弛緩状態ではなく、まったく力が入らない箇所があるのです。そういう場合は、硬直をゆるめるとともに、対応した箇所へ力を「集める」ようにしなければなりません。

ウサギのポーズでは背中を開くことと同時に内側を閉じることも同じくらい必要、というのと似ていますね。



<85ページ 皮膚呼吸を促すことで肺は活性化する より>
 皮膚には、肺のように大量の酸素や二酸化炭素を交換する働きがあるわけではありませんが、呼吸していることは確かです。皆さんもその証拠を体験しているはずです。お風呂に入ると、体毛に小さな空気の泡が付きますが、あれがそうです。お湯のあたたかさで毛穴が開き、中にたまった空気が出てきているのです。

これは単純に、「ほおぉ!」と思いました。



<140ページ 肩甲骨が教えてくれる より>
 肩の症状の最重要ポイントは、肩甲骨です。
 肩甲骨はほとんど骨と接しておらず、筋肉に囲まれています。肩甲骨周辺の筋肉は背骨とつながっているため、微妙な変化であっても敏感に反応する特徴を持っています。たとえば姿勢の悪い人は、肩甲骨の内側の筋肉が弛緩しています。そのため肩甲骨は、定位置を維持できず、左右に開きつつ下がってしまうのです。すると今度は、バランスを取るために腰骨が下がり、骨盤が開くようになります。
(中略)
 その逆もあります。泌尿器系を壊したために腰が下がってしまい、そのせいで背骨によけいな力がかかり、引っ張られるようにして肩甲骨が下がってしまうのです。
 この姿勢や、肩甲骨の位置に大きく影響しているのが「肺の力」です。「肺の力」といっても、肺活量や酸素の吸引量といったものではありません。肺の弾力があり、しっかりとした呼吸ができているかどうかです。
 肺は肋骨や鎖骨、横隔膜、背骨などに囲まれ、その中で一生懸命働いています。ここで肺に力があれば自然と呼吸が深くなり、周囲の骨や筋肉を押し広げようとする力が働きます。胸が押し広げられると、肩甲骨の位置は内に寄り、上がってくるのです。

肩甲骨は、うつぶせになって腕をあげてもらって、頭側から骨を押させてもらうとよくわかりますが、本当によく動く。鎖骨の内側とほんの少し繋がっているだけなんですね。なので、肺の力でもたしかにものすごく動くだろうなと。内側からのアプローチは、盲点でした。



<142ページ 体全体の不調が肩こりの原因となる より>
「肩こり」というと、どうしても「ガチガチした硬い肩」という印象がありますが、「やわらかい肩こり」というのもあるのです。
(中略)
これは、肩周辺の神経そのものが極度に緊張しているために、十分な機能を果たさなくなって起きます。神経が異常を抱え込んでしまった状態で、こちらのほうが重症と考えてもいいでしょう。

よく首が鳴りますが、仕事中、気がつくと肩があがっているんだよなぁ。やわらかい肩こりは、のどの奥、心臓の奥を意識してゆるめたほうがいいのかなぁ。



<154ページ 体はシグナルを発している むくみ より>
 手足のむくみは心機能の低下が原因です。血液は、重力を利用することで手足の末端まで届き、そこで酸素や栄養物を交換し静脈に入って心臓へ重力に逆らい上がっていきます。ですから、心臓の力だけではどうしてもうまくいかないのです。そこで周辺の筋肉を収縮させ、徐々に持ち上げるわけです。
 しかし、長時間の立ち仕事や営業などで歩き回っている場合、夕方には下半身の筋肉が疲れきって、血液を押し上げるところまで機能しなくなってしまいます。その結果、心臓に負担がかかって血液を循環させる働きが鈍り、血液がその場で滞ってむくむのです。
 こうした心臓系統からのむくみを防ぐには、心臓への負担を軽減させることが大切です。

押し上げパワーか。なるほど。



<163ページ 体はシグナルを発している 不眠 より>
実際はしっかりと睡眠がとれているのに、「睡眠が足りない」と不眠を訴える人がいます。こういった人は、大胸筋や肋間が緊張しているために浅い呼吸しかできず、脳が疲れを回復しきれていない状態です。

3分で寝ついて5時間寝れば平気な「のび太体質」なのですが、この深さは胸のリラックスによるものなのかなぁ。



<166ページ 体はシグナルを発している イライラする より>
 呼吸器に関連する胸椎の2番、3番、4番、あるいはそれに連動して7番、8番が変動を起こし、硬直しているのです。さらに骨盤も萎縮しており、下腹に力が入らず、呼吸も非常に浅い状態になっています。
 体の柔軟な人と硬直した人の双方に同じストレスを与えるとよくわかるのですが、柔軟性の高い人ほどストレスを上手に受け止められます。硬直した人はストレスを受け止めるどころか、跳ね返すのが精一杯で、それが「キレる」という衝動になって現われるのです。

ふむぅ。




雑学のように読んでも普通に楽しめるうえに、日々のヨガで感じていることを確認できる。しかも、内側からのアプローチのアイデアまで与えてくれる。とってもよい本に出会いました。



▼おまけ これまでに読んだ整体モノ
自力整体の真髄―なぜ、自力整体は効くのか? 矢上裕 著
自力整体脱力法 矢上裕 著
身体にきく―「体癖」を活かす整体法 片山洋次郎 著
骨盤にきく 気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門 片山洋次郎 著
三分間でできる「気」のコツのコツ 安田隆 著
「整体入門」「風邪の効用」野口晴哉 著
「整体 楽になる技術」  片山洋次郎 著
大和なでしこ整体読本
マッサージ師さんに借りた「臓単」
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井本 邦昭
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