「誰も書かなかった整体学」に続く二冊目。
【「花粉症」というネーミングは、この自然界では決してなくならないものを悪者にする、巧妙な意識操作。(23ページ)】という表現が序盤に登場し、以降は力強いナチュロパシー理論が炸裂しています。
前回の本の主眼点が「腰椎4、5番の弾力」であったのに対し、この本のテーマは「胸郭の弾力」とのことでしたが、わたしは「頚椎7番と胸椎1番」のポイントの記述がとても参考になりました。
いろいろなフィードバックをくれるヨガ仲間にアトピーの人がいて、その人の状況と照らし合わせて読んでいたらすごく面白くかった。たとえば、こんなところです。
<C7(頚椎7番)とT1(胸椎1番)に関する記述で、73ページと140ページにあった記述より>
いろいろ、彼女の身体や、ほかにも数人のヨガ仲間に思い当たることがあるのです。
バランスを崩すと顎の下にぶつぶつができる人、シャバーサナでついおなかに手を乗せたくなる人、シャバーサナでまっすぐ寝ることができない人……何人か顔が浮かぶのですが、みんな、なんというか「気ぃ使い」です。常識人をやろうとがんばっている。
わたしが「ヨゴれたオトナ」と練習時に愛情をこめて言っている「でんぐり返し」の動きの要点も、ここにありそう。赤ちゃんの首が据わってくるときのオトナ・ポイントなのかな。
そして、「五十肩」もここが関係しているそうで、わたしは年上のヨガ仲間が多いですから、また顔が浮かぶ……。後ろに腕が回せなくなったと言っていたっけ……。
アトピーのヨガ仲間が五十歳になるのが今から楽しみでなりません。(楽しむのかよ!)
この流れで、アトピーに関連する部分から紹介します。
<137ページ 胸椎7、8番の整体体操 より>
アトピーの場合は、胸椎8、9、10番の右の硬直が、上の6、7番まで上がっているので、この6、7番の主に三側という場所に必ず硬直があります。
アトピーさんがねりじのポーズのアジャストを好むのは、このためかもしれない。ちょうどこのあたりを押している。そして、そうすることでC7&T1の首の回転がつるん、といく。最終的に首の回転を促されたいのか、と考えるといろいろ辻褄があってくるなぁ。
そして、こんな説明もありました。
親に対する求愛表現として、昔は喘息として出ていたものが、今はアトピーとして現れています。この胸椎6、7番という場所は、内面に抱えている寂しさのようなものが硬直として現れるところでもあります。
種は父母祖父母以前から脈々と種が継がれていて、躾や一親等の親子関係だけでは語れない深度のあるもの。世のお父さんお母さんたちがプレッシャーになってしまうのは方向としてまたしんどい(これでまた種がヨゴれる)ので、「わたしのせいで」「世の中のせいで」と思う人が増えない考え方を探っていくと、インド人みたいになる。
話をボディのほうに戻して、、、
腸骨と仙骨の関係の説明も、すごくわかりやすかったです。
<96ページ 太る女性の体とは より>
腸骨の開閉というのは、左右の腸骨が独自に動くのではなく、真ん中にある仙骨が柔軟に動くから左右の腸骨がそれに合わせて動くという点です。(中略)
最近、テレビ等のマスコミで、「痩せるには骨盤を締めれば良いのだ」という話をよく聞きますが、骨盤は締まれば良いというものでもありません。腸骨が締まって極端に閉じに入るとヒステリー(頭の過緊張)の傾向になります。
ここは自身の身を持ってわかります。なにかに異常な集中力を発揮できるという点ではとてもよいのですが、仙骨が鎧を着たような状態になることがある。こことの付き合い方は、ヨガよりダンスがいいんじゃないかと思うようになりました。音からの刺激が、「仙骨の動きの空間」をつくるのによさそう、と思うのです。
<132ページ 胸椎10番〜12番の整体体操 より>
胸椎11番が硬直して下がり、それと連動して頚椎3、4番が捻じれてくると鼻がつまります。
ブラフマ・ムドラーとあわせて研究したい。
具体的に慢性的な不調がある人は、後半の体操の紹介がとても参考になりますよ。
「誰も書かなかった整体学」と比べて、健康ビジネス社会への鋭い指摘が多くなっています。なんというか、説教するなら「ゲージュツは、身体は、バクハツだ!」という勢いでいっちゃったほうがいい分野の理論なのですが、ライフハックのような健康本たちのなかにあってはそうもいかないのかな。わたしには久々のヒット、という感じの二冊でした。
マツコ・デラックスばりのトーンで語る本を読んでみたくなる著者さんです。
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