うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

NHKスペシャル「永平寺 104歳の禅師・修行の四季」と、映画「禅 ZEN」

今年のお正月にNHKで以前放映されたNHKスペシャル永平寺 104歳の禅師」の一部が放映されて、ここに登場する宮崎奕保(みやざきえきほ)禅師のことばがあまりにヨガ的で食い入るように観てしまい、新年に出社早々、同僚のサトシン君(総持寺にお墓を持っている)に話したら、「DVD持ってるよ」ということで、貸していただきました。
その後、映画「禅 ZEN」が公開され、映画館へは行かなかったのですが、これを今日観ました。そのほかにも後日紹介予定の数冊の本もこれと関連してくるのですが、宮崎禅師のことばはラマナ・マハルシ師そのもののようであり、行法のなかでも「経行(きんひん)」は歩く瞑想ことラベリングのようであり、坐禅についてはもう言うまでもありません。(背骨やバランスの話はここでは置いておきましょう。主題範囲ではないです

永平寺」のほうは2枚組みのDVD。「104歳の禅師」は宮崎禅師の姿を追ったもので、「修行の四季」は雲水と呼ばれる修行僧の姿を追ったものです。これ観た頃、写経で字にとても興味が強くて、書に関するところは思わず携帯で写真を撮ってしまったのですが



筆を寝かせて書かれる禅師の字にとても惹かれ



彫刻等で彫られたような道元さんの書体もなんだか印象的でした。


これまで、書の大家による「上手すぎる書」に見慣れていたもので・・・。
書すこと、というのは、なんともパワーがある。

そして、宮崎禅師のことばは

真理を黙って実行するというのが
大自然
誰に褒められるということも思わんし
これだけのことをしたら これだけの報酬が
もらえるということもない
時が来たならば ちゃんと花が咲き
そして黙って
褒められても褒められんでも
すべきことをして 黙って去っていく
そういうのが実行であり 教えであり 真理だ

ラマナ・マハルシ師のことばのようであり、金子みすゞさんの詩「花のたましい」のようであり。

さわりだけ、Youtubeで見ることができます。


2枚組みのもう1枚「修行の四季」のほうも、とっても興味深かった。禅問答をはじめてこの映像で見ました。生きものを殺さぬよう引きこもる「雨安居」というひきこもりの行は、ジャイナ教を想起させます。坐禅も読経もしない「典座」という役職にある山崎さんというかたが「ポストでベスト」とおっしゃっていた言葉が心に残っています。表情、語り口、たたずまいがとても魅力的な人でした。


映画「禅 ZEN」のほうは、スピーディに描くことができない題材でありながら、よく時間内にこれだけの要素をいれたもんだ・・・。エピソードとして釈尊のエピソードが盛り込まれていたり、俊了(色欲の鬼により永平寺を去る典座のお坊さん)の美男子っぷりには手塚ブッダ版のアーナンダを想起せずにはいられなかったり、お寺に乗り込まれた際によりによって「眼横鼻直」という言葉が選ばれているところとか、ほかにもいっぱい、エンターテインメントに仕上げる中に盛り込まれた演出が、いちいち粋。ニクい映画ですこれ。

本当に伝えようと思ったら、「坐れ!」という内容ですから、エンターテインメントとしての折り合いが見どころだったと思うのですが、日本の歴史を学ぶ上で、とてもよい映画だと思いました。
最後の場面で、般若心経をBGMに実際に永平寺の雲水さんたちがダダダダーーーと山門を降りてくる映像がありました。その中に、「修行の四季」に登場していた軽部さんがいらっしゃったように思うのですが、気のせいかな。(なんせみんな坊主頭なので、集団で動かれると自信がない)

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