うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

トリオリズム 叶恭子 著

トリオリズム 叶恭子 著
チョイスがものすごく意外でしょ。これも仕事仲間のしげさんに借りました。「トリオリズム」というのは、いわゆる3Pのことらしいです。勉強になりますね。
乱歩的ですこれ。という点では非常に面白かったのですが、ただ、それがリアルだということの不思議感は、ある意味乱歩以上。仮面をつけた全裸のパーティー、メイクラヴの極意、贈り物の数々、傍らにいる美香さんが普通の感覚を持ち続けているすごさ。
そして、どうにもこうにも笑わずにはいられない、ルー大柴的なイングリッシュの数々。

紹介しちゃいますよ。びっくりしないでね(笑)。

<45ページ 目に宿る不思議なパワー より>
わたくしが視線を配ると、必ずどなたかの視線に合います。
それがすべてのスタートだと思っている方、残念ながら、あなたのその考えはセレブリティーたちが多く集うパーティーでは通用しません。
目が合った、その瞬間にすべてが決まります。終了または完了を意味します。
別にウインクをするわけではなく、ただ静かに視線を合わせること。
通用するのはゼロコンマ数秒の目ヂカラ。必要なのは視線の感知力。

終了または完了?! っていわれるととってもマリオなイメージを持ってしまいますが、そうではない話らしいです。たまに会議中にトラタク(一点に視点を集中する修行)をコッソリやっているのですが、以前向かいの人のペットボトルのフタを焦点にしていたら、「飲みたいの?」と言われました。これは完了でも何でもありません。

<127ページ アスキング・ゲーム より>
猫がネズミを捕まえても、すぐ殺して食べないことがあります。それは、いろいろな転がし方をして遊んでいるのかもしれない。本当は食べないかもしれない。転がすこと自体が楽しみかもしれないし、そもそも捕まえること自体が楽しみかもしれない。その時の猫の気分とかネズミの種類によって楽しみは違います。こういった感覚をフォアプレイとして意識すること。それだけで、メイクラヴの燃え方はグッと変わってきます。

前戯も「フォアプレイ」って書かれると、とってもスポーツマンシップにのっとった感じがしますね!

<144ページ ヴァギナとのコミュニケーション より>
男性は、ゲイではない限り、女性を見ると少なからず無意識のうちにセックスする時のことをイメージすることでしょう。これはどの国だってまったく変りありません。
その時、日本の男性は、バストが大きくて、かつ、もち肌がよいという観点で女性を見ることが多いのですが、外国の男性は、筋肉質かどうかという点をまず気にします。
後ろ姿をチェックし、まず腰やお尻、太もものマッスルを見ます。なぜだかわかりますか? マッスルトーンが整っていることが、彼らにとってセックスアピールの大切な条件のひとつなのです。
(中略)つまりセックスをしたくなるかどうか、それがよいものになりそうかどうか、ということを前提として、女性を見ているのです。
(ちなみにこの章は、マスターベーションをするなら漫然とやらずに、その神経回路を研究・トレーニングしなさい。という極意にまで及びます)

「イメージすることでしょう。」という言い切りと、顔の造形には切り込まないボディ信仰と、マスターベーション身体理論。徹底して一貫性があるところがすごい。こっちの方向から神経学いくか! と。

<213ページ トリオリズムのラヴアフェア より>
やがて、口だけを使ってショーツのサイドストラップがほどかれました。一方はスチュワートのリップで、もう一方はトニーのリップによって。その部分にとまったわたくしのバタフライが羽をゆっくりと広げました。

ここだけ引用してもさっぱりわからない「バタフライ」は、陰毛をつんつるてんにした上に乗せたタトゥーだそうです。それが、羽をゆっくり広げたんですって。

<235ページ 男性を選び抜くこと より>
「なぜこの人が好きなのか」
「どうしてこんなにも愛しているのか」
ということを誠実に考えてみると、「相手に全然よいところがないのに、彼が好きだった」とわかる時だってあるのです。その場合は、その相手に対して、"精神的な間に合わせ"をしていることになります。
わたくしは"肉体的な間に合わせ"は理解できますが、"精神的な間に合わせ"は百害あって一利なしだと考えています。LOVEにおいて相手に合わせようとする気持ちは素敵なことでしょう。しかし、自分の個性を打ち消してまで相手に合わせる関係はけっして長くは続きませんし、結果的にお互いハピネスをもたらさないでしょう。
自分の価値観にそぐわないと感じた時は、
「わたくしには必要がない」
と潔く判断するよりほかありません。正直な選択は、一種の残酷さを孕みます。

「"精神的な間に合わせ"は百害あって一利なし」。これは名言じゃない? ここはブラボー! 「スーパーひとし君」あげたくなりました。もちろん、ダイヤモンドの。


しげさんが飲み屋でこの本の感想を熱く語ってくれたので追随してみましたが、たまにはこうゆう刺激もアリですね。非日常すぎて面白かった。卵かけごはん専用しょうゆを買うか迷っている自分が、これを、駅まで20分歩いた後で電車で読んでいる状況が、小市民イエーイ! って感じで。しょうゆ買おうかな。。。

トリオリズム (小学館文庫 か 9-1)
トリオリズム (小学館文庫 か 9-1)叶 恭子

小学館 2008-01-07
売り上げランキング : 13097


Amazonで詳しく見る
by G-Tools