うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ジェイン・オースティンの読書会(2007年のアメリカ映画)

少し前にご自身でも読書会を主催したことがあるという人と「読書会というもの」の話をして、そういえば何年か前に「友だちに読書会へ行くと話したら、映画みたいですてきと言われた」といっていた人がいたなぁというのを思い出し、この映画を観てみました。
この映画は、脚本も演出もパズルのように細かくよくつじつまがあっててすごいです。2時間弱の間にこれだけセリフと行動の伏線が細密なものを練りこんだな…、と三度観てびっくり。うわー、この行動、この関係、あとでこうつながっていくのか! となる。服装・持ちもの・家・乗り物などすべてがちゃんと説明材料になっている。


ブコメディ風なのだけど親子兄弟姉妹関係も織り込まれており、みなさん裕福ながらもいろいろ抱えていて、やさぐれたりもするのだけどなんとかやっている。ビジュアルはずっとおしゃれで、まぁとにかく各自のキャラクター設定がいいんですよね…。男性陣も、みんな魅力的。
その魅力的な男性の一人が、読書会の中でスター・ウォーズを喩えに出す場面があって「あなたは、わたしか!」となりました。わたしもあまり小説は読んでこなかったし読書自体が好きなわけではないので、こういう発言をしちゃう側だなと。君がいてくれてよかった!


ほかにもイタイなぁこれ、という行動や発言がいっぱいあるのだけど、ジェーン・オースティンが人生の解毒剤あるいは薬だというのなら、わたしも少し読んでみたいと思いました。ずっと江戸川乱歩の毒で毒を制してきたけれど(しかもそれは変態的なやつ)、そろそろやさしくされたい。
それにしても、印象的なフレーズや他人の文章にちゃっかり乗っかって自分の根底思想をほのめかす人々が繋がっていく、そういう姿をポジティブな形で見せるだなんて、これはすごい映画だな原作が気になるなと思って見てみたら、「私たちが姉妹だったころ」のカレン・ジョイ・ファウラー。なんか納得!
原作の時点で登場人物たちのこしらえてきた思想のルーツがしっかり抜け目のない網目になっているのでしょう。そんな土台の上に、知的でおしゃれなライフスタイルが映像と音楽で誘ってくる。この映画、選曲もあざといんですよね…。悪いことをしようとしている大人の女性を少女が見かけて睨みつけるシーンの後のだいじなところでエイミー・マンの「Save me」が流れてくるところとか! 
10年以上前の映画だけど、このライフスタイルはかなりすてき。久しぶりに映画を観て真似したいな… なんて気持ちが起こりました。


ちなみに冒頭に書いた、ご自身でも読書会を主催したことがある人の話だと、日本では読書会といったら朝活×自己啓発といった主旨のもののほうが数としては多い印象とのこと。ネットで開催情報を探しているとそういうものが見つかりやすいというのもあると思うけれど、日本人の行動様式として、そういうアプローチにしないと実行に移さない人が多いというのはなんとなくわかる気がする。
この映画を観て、ああアメリカではこうなのかと思い直しました。