名前というのは他者とその存在認識を共有するために使うもの。いまは世界的にウイルスが神みたいになっています。神も悪魔も目に見えない存在だから、そうなるのでしょう。世界がひとつになってる…これって普遍宗教? と一瞬錯覚しそうになるくらい。
名前というのは不思議なものです。
四股名、源氏名、ハンドル・ネーム、スピリチュアル・ネーム、ホーリー・ネーム・・・
インドで知り合った人に、そういう名称みたいなのをもらって使っている人がいます。わたしの周りにも数名おり、話題として微妙なのでそこにはいっさい触れずにきました。
オウム真理教で使われていたホーリー・ネームは、ミラレパはさておきマルパはこわすぎないか…とか、あとになって不思議なセレクトだなと思ったことがあります。いまはこういうのは、スピリチュアル・ネームと言ったりするのかな。
この流れでつないでいいのかわかりませんが、お相撲さんの四股名は地域名が入っていたり、無理やりな漢字化がこちらの想像を大きく超える場合があります。「把瑠都凱斗(ばると かいと)」なんて、バルト海と本名のカイドがドッキングしてダジャレに似た妙まで加わり、受け止めきれなかった。
サッカー選手では「ああこの音、ないんだよな…」と感じることがあって、呂比須ワグナー選手に対して「ロピスになってて、かわいい…」と、口にすることでジワジワ来る音に悶絶しました。田中マルクス闘莉王になると、もう想像できる強さのイマジネーションを超えた文字列。せめて田中でよかったよ…。苗字が剛力だったら大変なことになります。
そういえば、クリスマスの日にヨガクラスに来てくれた人が「わたしは洗礼名がマルガリータで…」とおっしゃって、「それって、ピザでしたっけ?」と訊いたら「いいえ、カクテルのほうです」と返されたことがありました。でも頭の中はピザのチーズが広がったまま。名前から瞬時に膨らむイメージの力はあなどれません。
ウイルスの名前よりも神の名を唱えましょう。もしくは、好きな物の名前を多く唱えましょう。
サク サク サク サク・・・
ザクザクザクザクザクザクザクザク・・・・