この気持ち、書いちゃうんだ…。と思いながら読みました。新書のように読めてしまう小説。読みながら「みなまで言うな」という気分になりました。
ここまで書かれていることに驚きつつ、現代人の職業への差別感情の切り取りかたが露骨すぎてしんどい。
わたしは自分がこの小説の「コンビニ人間」でいうところの「ヨガ人間」だという気持ちで、この部分を読んでいました。
コンビニで働いていると、そこで働いているということを見下されることが、よくある。興味深いので私は見下している人の顔を見るのが、わりと好きだった。あ、人間だという感じがするのだ。
「仕事」の「箱」というところにうまく落とし込んだ作家の勝利なのかな。このパターンは今後「コンビニ人間と同じ」と表現されたりするのだろうけど、これはリアルなホラーだ。
この気持ち、書いちゃうんだ…。と思うのはもちろん女性だけでないのだろうし、男性が共感を表明しにくいという事実のほうが重いようにも感じます。
好みが別れそうだけど、わたしは「なんか2ちゃんねるみたい…」と感じます。ちょっと露悪が行き過ぎのような気もするけど、でも「傷つかないための合理化」としてのこういう思考は、すごく、すごーーーくよくわかるんですよね…。
もうちょっとなにか、そこをどうにか包み込めなかったものかと思う小説でした。
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