うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「ムトゥ 踊るマハラジャ」をいま観るといろいろ沁みる(映画)

この映画は1995年作で日本では1998年から上映。もう20年前なんですね。そらわしもオバハンになるわ!
この映画が流行ったころはインドのことをまったく知らなかったわたしですが、今は少しインドのことを知り、先日観たらいろいろ沁みました。この映画は伏線も丁寧なのね…。
会話はタミル語なのでちっともわからないのですが、信仰にまつわる言葉はインド共通なのでちょっと聞き取れるのが楽しい。
オープニングは「オーム トリヤンバカンヤジャーマヘー…」というマントラから始まり、「アールティ(アラティ・お祈り)をすっぽかすだなんてひどいわプンスカ☆」みたいな会話ではじまる。禁欲主義者だった彼が… という歌の歌詞ではブラフマチャリという音がするするっと早口で出てきて、この国の言葉はやっぱり舌が凝る(歌うだけですごいエクササイズ)。
ほかにも、馬車を操る能力、歌詞の中の表現など、沁みる要素が随所に。
バガヴァッド・ギーターを読んでみたことがある人は、そのうえであらためてこの映画を観ると地味にいろいろ沁みますよ。なんでこんなに重要なことを語りながらこの人たちこんなに激しくキレよく踊ってるの! しかも100人以上いないかこれ…。となる。(笑)


わたしは序盤の、芝居小屋でクシャミが止まらなくなってしまったムトゥが怒られて返答する以下のセリフがまるでラーマクリシュナの説法のようで、しびれちゃいました。


 クシャミに咳にしゃっくりにあくび
 善悪に生死に金は 人が望んでも手に入らん
 勝手にやって来るものさ


ムトゥがいちいち聖者みたいなことを言う。そしてこれにも意味がある。
この映画は3時間近くあって、中間に休憩前の小さな言葉が入るのだけど…



 人生は芝居だ 大芝居だ がーっはっはっ



マーヤー説!
そして次の場面は芝居にまつわるストーリーから始まる。
構成も、よ〜くできとるのねぇこれ。「ナヴァ・ラサ」(9つの感情)もばっちりなうえに、インド思想の要素も満載。
最初は「うへぇ。濃いわー」という感じに見えるムトゥ。でも二度目に観るときには冒頭の歌の時点でキューンとときめいているわたし。なんなのこの魅力。
この男は、男も惚れさすよ。まじで。どうか気をつけて。


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マクザム (2013-10-25)