うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ぼくらの仮説が世界をつくる 佐渡島庸平 著


4月ですね。先日この本を職場の本棚で見つけて読んで、いい角度でやる気スイッチを押してくれる本だったので紹介します。
よいコンテンツがよいものとして届きにくい時代。そこで、これからどうやっていくかを「作家エージェント会社」というかたちで模索する人の信念の言葉。著者自体が編集者でそれをさらにダイヤモンド社が書籍にしているせいか、濃くてアツいのにたいへんすっきりと読める。
わたしは自分の好きな有名人がプライベートを切り売りするように営業をするのを見ると複雑な気持ちになるので、こういう作家エージェント会社みたいなところでじょうずに夢を見せてくれる文化がもっと根づけばいいのにと思う。
それはさておきこの本は、4月の読書にぴったりです。以下のようなことは、何度もいろんな本の言葉でリマインドされないと、ダメ子のわたしはやっていかれない。

なにごとも「定義する」訓練をつむことで、自分なりの仮説を生むことができるようになる。(40ページ)


「意志」ではなく「習慣」でしか人生を変えることはできない。(154ページ)

「定義する」訓練って、いい説明だなぁ。なんとなくやるのでは、仮説を立てる筋力がそもそもない状態の悪あがきみたいになる。こういう説明がすごくうまいので、読んでいておもしろい。



以下は、「できるふり」が通じない仕組みでもあるな、と思いながら読みました。

観察力がある人は、努力すれば必ず表現力を身につけることができます。でも、その逆に、いい観察ができない人は、継続していい表現をすることはできません。
(146ページ)

自分のことをわかろうとし続けるって、だいじなんですよね。状況によって変わるところと、変わらないところが見えてくるし。



ここも、実感としてすごくすき。

自分にウソをつかないことのメリットはもう一つあります。「記憶のコスト」が低くなるということです。(202ページ)


何が正しいかなんて、立場によって変わります。正しさを主張するのは、楽をしようとしているだけなのです。(211ページ)

「こう考えて、こうした」というところにウソをつかずに継続すると、いろんなことが自然につながっていく。「自分がそんなこと言うわけない」という確信は、確認コストが無くてよい。それが思想になっていったりするのだろう。



まったく違う仕事をしていても、すごく沁みる。
不安の取り扱いに触れている内容が多いので、漠然と不安な人は不安を掘り下げられるし、以下のようにときにバッサリ言ってくださる。

現代人が感じる不安や恐怖というのは「死の恐怖」ではなく、単に「努力をせずに現状維持をしたい」という思いから生まれる恐怖です。
(191ページ)

ラクしたいんでしょ? ってね。
でもボコボコにされる感じではなくて、つぎの努力の種をまく手助けをしてくれる。そんな本でした。


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