うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

人生の99%は思い込み ― 支配された人生から脱却するための心理学 鈴木敏昭 著


ネット上に公開されていたコラムがおもしろかったので、本を買って読んでみました。
まえに「悪口の受け止めかた」というタイトルで書きましたが、わたしは人の悪意や憎しみへの同調を、どんなにビジネスライクでポジティブなアジェンダに乗せられても、しんどいと感じます。なんだけど、「いま目の前にいる人」の中にある妄想は消せないし、わたし自身も忍者みたいにドロンするところまでの霊力がない。
なので、この本をSOSなタイミングで読んで、気持ちを落ち着けました。

この本にあった

感情は排泄物のようなものだ。よって、それをコントロールしようとしてもあまり意味がない。そうではなく、元にある思い込みを明らかにして捨てる、もしくは修正することで、感情は変わってくるはずだ。

の、「感情は排泄物」というのは、すごくわかるなぁ。感情が起こったときは、思い込みの種が展開しただけなんですよね。
わたしは怒りの感情が沸くたびに、先に書いたような「悪意をポジティブ・コーティングするこの手法がいやだ」ということを分解するようにしています。逆に、「このやり方は、うまいな」という流れだったりすると、先生のように見えてきたりもする。そういう好き嫌いの傾向をあらかじめ認識しておくと、変化する環境や状況に対応しやすくなります。


この本には、「自分の構え」のパターンを以下の4つに分けた説明が出てきます。

「私もOK、あなたもOK」
「私はNG、あなたはOK」
「私はOK、あなたはNG」
「私はNG、あなたもNG」

「わたしの思考はネガティブですよね(あなた決めてください)」みたいな人が多いのかな。この本には診断が多い。
「私もOK、あなたもOK」がいかにもヨガ的な考え方だと思われそうだけど、この4設定全ての配分が自己観察できて、今はこういう傾向が強いから、こうやって過ごそう、と考えられるようにしたい。


途中から「この本はどういう人に刺さるのだろうか…」という視点で読んでいた。
まさにこれこそが「いま読んでる私はOK、これから読むNGな人って、どんな人よ?」という発想。これから読む人だって、OKであろうに。
予定が多いと、ただそれだけで自己批判的な精神を忘れがちになってしまう。自己批判的な精神を忘れると、他者を断罪しようとする気持ちが起こりやすくなる。とにかくそれを避けたい。「OKな範囲だけで関われるように、鼻を利かせる」というのがいいのかなと、ここ数年はそんな感じでやっています。
行動も気持ちもアクセルをゆるめるべきであろうタイミングで手にしたので、よい振り返りになりました。


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