昨年、本の交換会で出会ったOLさんたちがおすすめしてくれた本を読んで以来、なるほど通勤時にこういう本を読んで、あまり日常から離れすぎないファンタジーで軽く発散しておくというのはとても上手な生き方だと思いました。そんなわけで、家に積んであった「オフィス小説」を読みました。
といっても、主人公は40代の「おっさん」なので、同じ年代でも女性が主人公の「ふたたびの虹」のような感覚ではない。いちばん驚いたのは、うっかりふつうにおっさんとして共感するかと思いきや「うわー、なんか気持ちわるっ」と思ったりもしたことです(笑)。
短編が5話収められているのですが、ひとつめの「マドンナ」で「うわー」と思いました。40代の男性社員が20代の女性社員にマジボレしてしまう話です。
出だしで軽く「うわ」と思ったのでその先の話はどうかなと思っていたのですが、第二話の「ダンス」では少し胸がぎゅっとなり、第三話の「総務は女房」はオフィス精神ホラーで、第四話「ボス」はまあありそうな話で、最後の「パティオ」は泣かす。最後は軽く涙してスッキリ。
特に「パティオ」は「わらの人」の最終話とよく似た、老人との交流の話で終わります。
読書家OLさんたちが教えてくれた本の選び方は、「世の中なかなか、すてたもんじゃない。やさぐれるのも、もったいないことであるよ」という現実味のあるストーリー、ふつうの人が主人公の小説を選ぶこと。
社会復帰に四苦八苦している人も多いかな、と思い、今日はこんなセレクトにしてみましたよ。