うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

射手座の君へ 鏡リュウジ 著


この本を買う直前に夏目漱石の「こころ」を読み終え、クライマックスの読後感がものすごくて駅の本屋に駆け込んで立ち読みして、速攻購入。ちょっと明るいほうへ引っ張ってもらいたくなった。せ、正露丸ない?! とあたふたするような。

そうでないときでも、こういう本は心の「のど飴」みたいな感じかと思っていたのですが、これから寒くなってますます出不精になるこの時期にナイスタイミングでした。自己肯定を助けてくれる本は、誰かを励ましたいときの言葉の使い方の参考にもなる。一方で、こういう言い方はとてもやさしいけれど、そこまで深く個に語りかける表現はどうかな、と思うようなフレーズもありました。素直に読めって(笑)。


よかったのは、「気分があがる」とか「いける」ときの要素が書いてあるところ。わたしはとあるきっかけに出会うまで、「いいかんじ」であることに言葉はいらない、と思っていました。でも理由が言葉にできるレベルでわかると、それはベクトルを持ったパワーになったりする。そういう、すばらしい効果があることを知りました。
そのきっかけが、ヨガニードラの練習でした。2ヶ月続けたあたりで、それがふとわかる夢を見ました。この本には、ヨガニードラで感じることと似たような気づきがありました。



この本で気づいた「いける」と感じるときの要素は心のなかにしまっておくけれど、そうすると忘れてしまうので、そのページにポストイットでメモを貼りました。


ああ、あのときいい感じを得たのは、あの言葉、この行動……。なんてのをメモして、結果として背中を押してくれた人(本人に自覚がないことも知ってる)への感謝の気持ちを忘れないように、日常を振り返ることができました。「これは鵜呑みにすると痛い目に合いそう」なんてこともメモしてる。これは、マインドブロックのメモになる。



なりゆきで深く考えずにやったことが気づけば種まきになっていたり、"身から出た錆" と "棚からぼた餅" が混ざったようなことが起きたり、時間の流れは気にしていなかったけれどゆっくりいい関係を築ける人がいたり。
読みながら、そういう人間関係のプラスの部分をたくさん思い出しました。あの人にありがとう、この人にありがとう、という気持ちで、いろんな人の顔が浮かんできた。
こういう本をあと5冊くらい読んだら、夏目漱石の「こころ」のダメージから立ち直れるかな(確実に名作なんですけどね、すごすぎた)。

「12星座の君へシリーズ」はこちらからどうぞ