この著者さんの本とは、地元のインド料理屋さんで出会いました。
なにげなく置いてあった本を、なにげなく開いて「こりゃ大変だ」と。
以来同時期に3冊読みました。天才バカボンと仏教のつながりも、「これでいいのだ」で知りました。
インド、チベット、ヒマラヤ。修行をしてきたという人の本はたくさんあるのだけど、野口氏の本は格段に印象に残ります。淡々とした特別感のない語調、強いと言えば強い語り口なのかもしれないけれども、舌を麻痺させるような味付けではなく、深いところへ連れて行ってくれるような実録。
旅で受ける刺激は斬新だったり新鮮だったからこそ記憶しているものなのだけど、それを新鮮と思う「自分」の心の奥と、それぞれの視点での過去と未来を丸ごと感じる視点で書かれている。そういうものは本としてはつまらなくなりがちなのだけど、色なんてつけられない、そんな心境で書かれているのではないかと想像しました。
「これでいいのだ」は詩集なのでまったく別のおもむきなのですが、温泉に浸かったような気持ちになれる一冊です。
絶版で入手困難な「人間の頂」は、いま現在何冊かアマゾンに中古が出品されていますよ。
▼過去ログリンク(読んだ日付順・上のほうが最近です)
●心の訓練 ― メメントモリ(死を想え)チベットの命取扱い書
●チベット仏教の真実 「禅定」の章
●チベット仏教の真実 ―「五体投地」四百万回満行の軌跡
●これでいいのだ
●人間の頂 「生きる」意味を求めて
▼関連書籍
●ホーミタクヤセン ― インディアンの癒しの言葉(野口法蔵 監修)