三条市の「本成寺」へ行ってきました。最近観た映画「この空の花 長岡花火物語」の最後のクレジットにこのお寺の名前があったのだけど、まったくノーマークだったので気づかなかった。花さんがここで一輪車に乗るシーンがあったって。
本成寺は日蓮が佐渡島へ渡る途中に寺泊で出会った日印が開山したお寺で、初祖日朗・開山日印となっている。わたしは日蓮にはあまり詳しくなく、唯円と同じ歳の人ということと、親鸞の時代にアツい思想のやりとりがあったということしか知らない。このお寺へは、いまわたしが魅了されている石川雲蝶の彫り物を拝みに行った。
美しく、立派なお寺でした。周辺にも多くの寺が集っていて、プチ高野山のような風情。身近にこんな場所があるなんて知らなかった。
本堂。この奥に、雲蝶作品がある。ちなみにお墓もこのお寺にある。
これは道場。ここの彫り物は雲蝶作品ではないらしいのだけど、雲蝶のお弟子さんもともに過ごしたお寺だそうで、とにかく全般彫り物のクオリティが高い。
まずは本堂から紹介しましょう。
通りすがりのお坊さんに声をかける。「あの、雲蝶の、雲蝶のぉ〜」
すでに興奮しているわたしなのですが、「雲蝶ですね。こちらです」と、奥へ案内されました。
あら、順番があるのねと、このときはそう思いました。
「こちらのお弟子さんのは、触ってもいいですよ。ご自分の悪いところに触れるとご利益があるといわれています」とのこと。目に触れてきました。
掛け軸は日印さん。青い蓮はめずらしい。この一角の色使いがたまらない。
丁寧にご説明いただいて、以上。な雰囲気になったので
「あの、入り口にあるのも教えてください」とたずねてみたら「あれは、雲蝶作ではないようなのです。このお寺は明治に一度火災があり、雲蝶作で残っているのはあの寝牛だけで、時代からして残っているはずがなく、これは雲蝶作ではないのです」
えー!
雲蝶はパースのつけ方が独特。この階段なんか「きたね雲蝶」という思いで見ていたのに。お弟子さん作なのでしょうか。雲蝶じゃなくとも、これはすごいよ。
本堂のほかにも、このお寺に隣接している寺院の門に、雲蝶パーツがちらほらある。お坊さんに教えてもらって、本堂を出ました。
案内にはなかったけど、久成院はこれ雲蝶ではないのか。
このへん全般、レベルが高すぎる。
潤いメンテナンスもばっちり。頭の中で、勝手に長塚京三のナレーションが流れる。
せっかくなので、その雰囲気で雲蝶作品の写真をお送りします。
越後で、呑む、打つ、彫る。構図にあらわれる雲蝶の生き様。
呑むだけなら、できそうです。新潟をたずねてみませんか。
雲蝶については情報が少ないので、見て感じるしかすべがない。
ちなみにこれは雲蝶ではないけれど
ほおづえついて踏まれてる邪気さん。
「邪気が足りないってか。しょーがねえなぁ、俺が踏まれといてやるよ」な余裕っぷり。
雲蝶ゆかりの地の周辺は、とにかく、明るいのです。
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●新潟県で石川雲蝶の彫刻作品をめぐる