この日は前日のマッサージのもみかえしなのか、単純に疲れがたまり始めたのか。午前のレッスンだけにしました。かねてより夕暮れ時にあちこちのアシュラムで行なわれているキルタンとかプジャーと言われるものに行ってみようと思っていたので、この日にそれを見ることに朝の体調で決めました。
が、レッスンの予定以外はきほん暇。一日の流れは、思い向くまま。予定通りにいかないのが不思議な国インド。そんなわけで、午後レッスンはお休みしたものの、この日も写真をいっぱい撮っていました。
この日はレッスンの後、大雨。どうしよーと思って、とりあえず傘を買いたいのだけど(持っていけばよかった・・・)と途方にくれる。困ったときは、ANKIT君にとりあえず聞く。いつも変わらぬ笑顔と親切を提供してくれるANKITクオリティで、明確ドンズバ回答を得るも、そのころから雨が弱まり始める。
すると・・・ ニコニコしながら、目が合うババ1名。
うちこ:チャックー!
チャック:わしを覚えていたかね。
うちこ:うん。いま稽古してきたとこ。
チャック:ああ。朝のレッスンだったのか。そうかい。おつかれ。
ちょっとあふれそうなガンガーもいいもんだよ、みたいなかんじでまたお散歩。
この日のチャックラワルティさんは全身オレンジのお召し物。雨が降っていたので、雨脚が強いときは雨宿りしながら、けっこう広範囲を散策。「えー! ここの道を行くと、こことぶつかるんだー!」とか、そんな感じ。哲学フリートークにもとことん付き合う。これはかなりの修行になりました。書ききれないけど、「結婚は、男女の年の差5歳までにしておかないと、"精神的に闘ったり、抵抗する体力エネルギー"にギャップが多すぎる。ちなみにインドでは、年上の奥さんというのは、基本とても少ない」という話とか、すごく面白かったのだけど、チャックさんは奥さんが12歳年下とのこと。「価値観が合わなくてねぇ」って、それ実話かいー! とはつっこまずにおきました。
なんとなく連日は疲れるので、「またあさってにでも、お散歩しよっかー」ということにして、5ルピーのポテトチップスを買ってゲストハウスに戻りました。なんか疲労感で、この日のブランチはほんの少しのポテチと水。寝る。
ちょっと昼寝して、さぁて出かけようかな、と思ったら、家の前に女子が集まっている! なんだなんだ!
ネックレス売りのお兄さんが来ていました。なにげなく仲間に入ったら、写真のお姐さんたちが、「あなたは色が白いから、この組み合わせがいいわ!」「まあ小さい手首!(腕輪かけられまくる)」「赤、金、赤、金・・・(色合わせを考えてくれている)どうこれ?」「若いからピンクがいいんじゃない?(すみません実年齢、けっこういってます)」
20分くらい着せ替え人形にされて、でも道場のお友達にいいなぁと思って28輪、大人買い。56ルピー。って127円だ・・・。
もてあそばれているうちに、すこしお腹いっぱいに(笑)。遅めのランチを食べに、17時くらいにTIPTOPへ向かう。このとき、日本語がペラペラのインド人青年に呼び止められる。
青年:あなた日本人?
うちこ:うん
青年:さっきババ(チャックのこと)と歩いてたでしょ。あれはやめなさい。危ないから。
うちこ:ってゆーか、日本語めちゃうまいね! 今まで出会ったインド人の中で一番うまい! なんでー?
青年:池袋にも住んでたし、京都にも住んでたことがあるんだ。仕事でね。
うちこ:へー!
青年:さっきのこと、わかった? とにかく、危ないから。
うちこ:はい。心配してくれてありがとう。
本当に彼は感動的に日本語がうまく、正しく、流暢なのでした。だったらなんで危ないのかぶっちゃけたところを教えて欲しかったなぁ。チャックさんがお散歩していたビートルズ・アシュラムのエリアは大麻中毒のババが出没する場所だったりします。チャックがそんな感じの人に話しかけられて追っ払っているのも見ていて、まあとにかくそれなりに注意しつつ、という感じでした。
ババと言ってひとくくりにするけれど、考え方だったり読んでる本の共通点だったりで、あんまり国籍も年齢も関係なく話せることだってある。けっこうある。でも、忠告はありがたい。心配してくれたんだ。そんなやさしい人もいっぱいいる町です。
おなか空きすぎて、あまり食べられなかった遅めのランチ。トマトとマッシュルームのサンドイッチ(45ルピー)とチャイ2杯(2杯で20ルピー)。
そんでもって、その日は有名な「Parmath Niketan」というところの、お歌マントラいっぱいの「キルタン」というお祈り(毎日18時〜19時に開催)を見に行こうと思っていたのですが、わたしが「Parmath Niketan」だと思い込んでいた場所は、「Gita Bhawan」というところでした。初日にカマル先生が、「ぼくはお休みの日、ここのプジャーを見に来るんだ」と言っていて、なんとなくここなんだと勝手に思い込んでいました。あとで大河君(旅で知り合った日本人青年。リシケシ最終日の日記に写真で登場します)から、「あそこのはあそこので、炎をまわすやつ。あれはバラナシ・スタイルらしいよ」と教えてもらいました。先生もレッスンの後にドアクローズの儀式みたいなのをやるのだけど、同じような感じです。まぁ、先生おすすめのプジャーを見たってことで、楽しかったし、結果オーライ。
ちなみにこの「Gita Bhawan」は、その名のとおりギーターに関する絵がいっぱいある、ギーターのアシュラム。インド内のさまざまな言語のギーターを売っているブックストアは圧巻。朝のレッスンの前と夕方のレッスンの前に、ほぼ毎日行ってました。ずっとお経みたいなのが流れていて、大理石張りのお祈り場所が涼しくて。
そして先にひとことでこのプジャーを表現しておくと、「インド版 精霊流し」です!
ガンジス川に流す、大きい花かご20ルピー、小さい花かご10ルピー。小さいほうを買ったのだけど、このなかの白い花を、「これ、においかいでみなよ! すごくいい香りでしょ!」って言いながらわたしの鼻に花をおしつける。そして3つ、おまけで入れてくれました。すごい営業センス。おばちゃん、完全にあなたにハートを持っていかれたわよ。
そんなわけで、うちこも営業に加わりました。となりに競合が居たのだけど、英語圏のお客様をけっこう獲得できましたよ。
寄ってくる子供。カワユス! お金くれとは言われませんでした。
ここでなぜか、またチャック登場。本日2度目。待ち合わせはしていません。はい。あとで動画にちょいと映ります。
これね。心の中で「精霊流し」を歌いましたよ。きょーねんのあーなたのおーもいでがー♪(世界平和とは、ちと違うけど。気分は盛り上がった!)
お祈りの後にもらえる、天かすみたいなギー(精製バター)と砂糖で作ったお菓子「BOONDI」。甘すぎなくて、意外と美味しい!
このあとチャックに、さっきの青年にチャックのことを注意された話をしたのだけど、こんな感じ。
チャック:それで、君はどう思ったの?
うちこ:たとえば二人の人がいて、同じことが二人に起こっても、Aさんは「危ない目にあった」、Bさんは「危ないとは思わなかった」ということがあると思う。危ないかどうかは、わたしが決めること。
チャック:そうか。(ニコニコ)
チャックはめちゃくちゃ淡々とした人なのだけど、たまーに、騙されてるような気もしてくる。
この日はこの後、またインド青年たちにチャイをごちそうになりつつ、親方に心配をかけないように9時にはゲストハウスに戻ったのでした。