先週末に、インド・ベンガル出身の吟遊行者パルバティ・バウルさんから歌やステップ、ボディワークを学ぶワークショップに参加してきました。
寺院のなかで、畳の上でステップを踏みました。
この映画を観て参加されたかたが多いようでした。
久しぶりに会った友人が花巻で行われたコンサートへ行った話をしてくれて、このツアー情報を教えてくれました。
音のレッスン
こんなに耳をすませて、音の微妙な上下、トーンのアップダウン、音の継ぎ目のシームレスな丸みに意識を向けたのは初めてです。
パルバティ・バウルさんが、指で「みなさんのいまの流れは、こうでした(と話しながらカクカクした動きを宙に描く)。もっと、こう、まぁ~るく、日本の書道のように」と話しながら指でまん丸を描きながら歌った、お手本の声がすごくきれいで驚きました。
みんなでキーを最初に揃えてからはじめると、こんなに整う。
練習の前に他の人と一緒にマントラを唱えるときにも、無意識でキーを最初のコンマ何秒で拾いにいっているけれど、それをもう少しゆっくりできるとバイブレーションのクリアにできる。
Omチャンティングや呼吸法からはじまって、最後にはベンガル語の歌詞も繰り返しているうちに身体に刷り込まれて、だけど一瞬でもステップをちゃんとやろうとすると言葉が動かなくなる。
意識の集中と散漫~そしてまた集中へ、この繰り返しを味わいました。
ガニ股で、めまい。だけどそれは尊敬
ガニ股 × 抜き足差し足のようなステップで、手は「おちゃらかほい」という子供の頃の手遊びみたいな仕草を延々繰り返しました。たまにクラッとめまいが起こってハッとする。
このガニ股のレベルがなかなかで、足首がジャーヌシールシアーサナCくらいの角度。脚と足首のことを考えた瞬間に、歌への意識が消えてしまいます。
なんでこんなにもガニ股・・・、と思っていたら、つま先をまっすぐに前に向けることは不敬とする慣習があるそうです。
すてきな本「大いなる魂のうた」
会場で左の本を買いました。中のイラストが素敵で、見たらなんとご本人の作品。
パルバティ・バウルさんは、タゴールが創設したシャンティニケタンの画学生だったこともあり、絵も素晴らしく、特に版画の作品が魅力的です。
自らの挿絵で説明される「インド遊行の吟遊詩人バウルの世界」は隅々まで丁寧に書かれ、語りすぎず、その世界がぎゅっと濃縮されています。
伝統や楽器などの説明が細かくあるほか、詩が掲載されています。わたしはタゴールの詩からカビールの詩にハマり、このワークショップと本にたどり着きました。
わたしはインドの詩の、ハッとさせられる暗喩が好きです。
「借家の家賃を払っていない(借家=身体)」と言われると、生きる意義が原始的なところから自然に湧き上がってきます。
▼こちらのお店で販売されています
ブログを通じた接点
帰りに門を出る際に、スタッフのかたから「ブログを書いている方ではありませんか?」と話しかけられ、少し立ち話をしました。
わりと直前でこのワークショップを知り、ひとりで参加して帰るところで、このようなマイナーすぎるブログでたまに出す顔に気づいていただけるなんて、ありがたいことです。
わたしは時間をかけて咀嚼してきたこと、続けてきたことをきっかけとした、こういう予期せぬ接点をとてもありがたく思います。自分が大切だと思うことを大切にしながら行動している人に会えるとうれしい。
最後の復習タイムにガニ股で頑張りすぎてだいぶクラクラしていたけど、まっすぐ立って話せました。