これはすばらしい本。ぜひ読んだほうがよいです。
いくつか引用しますが、最後の引用は沖正弘さんの言葉ではありません。この本は「トキオ・ナレッジ」という知識集団によって書かれた本です。めちゃくちゃいまどきの本です。
そもそも、私たちはメールの返信にバカ丁寧に時間をかけすぎています。封書での手紙のように形式ばった時候の挨拶や定型句を使わなくてもよい、フランクでドライでインスタントなノリが、電子メールのメリットだったはずです。しかし、日本人の悪いクセは、海外からやってきた新しいスタイリッシュな文化にもすぐに自分達の「情緒」や「お作法」を持ち込んでしまうところです。
(社交辞令を省き、用件のみに返信しよう より)
「情緒」や「お作法」を持ち込みたい人に駆逐され、また新しいものが生まれる。この破壊と創造の繰り返し。
「ネットリテラシー」とは、ほぼ「スルースキル」のことだと言って過言ではありません。
(「華麗にスルー」は常識でありネットマナー より)
気持ちいいくらい、言い切る(笑)。
「深刻」の安売りが止まりません。パソコンですら、「システムは深刻なエラーから回復しました」なんて、キリッとのたまう時代です。
(重く受け止めても、いいことは何もない より)
回復したことをアピールして武勇伝にするパソコンとか、あったらやだなぁ。妄想がふくらむ。
言い訳したくなる気持ちも湧くかもしれませんが、そこを堪えてこその、スルー力なのです。
(取引先からの理不尽なクレームをスルーする より)
この本は、こういうことも説いてくださいます。
やりがいを求める姿勢の裏には、多分に他人からの評価を欲する心が隠れている場合がほとんどです。「やりがい」という言葉が使われるとき、だいたいは「お客様の笑顔が……」とか「予想以上の売り上げが……」とか「お給料が増えて……」とか、そうした言葉が踊ります。つまり、有形無形含めて、行為の代償を引き合いに出すパターンが多いということです。この事実は、突き詰めると、「やりがい」は何かしらの「利益」をもたらさない限りは感じられないという事実を証明します。
(やりがいを求めて頑張ると心が壊れてしまう より)
あ〜びっくりした。クリシュナが喋りだしたかと思った。(参考)
あなたのまわりにもいませんか? ドヤ顔で「PTSDでさぁ」とか「アスペ気味なんだよね」とかのたまう人。30年前なら誰も知らなかったようなたくさんの病名が市民権を得て我がもの顔で生活に入り込んでいる状況を鑑みれば、健康に気をつけなきゃって気分にすらなれませんよね。だってどれだけあなたが健康的に生きようと心がけたところで、10年後、20年後にはまた新しい病気が増えているんですから。
(「日常的進歩史観」が不安を生んでいる より)
あ〜びっくりした。沖先生が喋りだしたかと思った。(参考)
ひとことでいうと、これはヨガの本です。
ものすごくおすすめです。実用的です。