うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ブッダのマネジメント(「タントラへの道」より)

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先日紹介した本「タントラへの道」の「シューニヤター(空)」の章にあった内容の中から、ブッダの教えの手法として興味深い記述があったのでご紹介します。


慣れた仕事や感覚的に早くカタチにする方法がわかるものほど、ついつい「自分でやったほうが早い」と思ってしまいがちなもの。
でも、それだと部下が育たない。そんな葛藤を持つすべてのマネージャーに紹介したい教えです。

■シューニヤター(空) より
すでに概念となってしまった世界に対する自分の解釈を知恵の剣で切り払うことによって、私たちは、シューニヤター==無=空=虚空、すなわち二元性や概念が存在しない空間を見いだす。この空についての仏陀の教えの中で最もよく知られているのは、プラジュニャー・フリダヤ・スートラ=般若波羅蜜多心経(般若心経)の中に示されているものだ。
おもしろいことにこの経典の中で仏陀自身ほとんど一言も語っていない。ただ談話の最後に「よくぞ言った、よくぞ言った」といって微笑むだけだ。
自分が実際の話し手になるよりも、むしろ他者によってシューニヤターの教義が明らかにされるような状況を創り出したわけだ。自分の考えを押しつけるのではなく、教えが実際に起こり、弟子たちがシューニヤターを発見し体験するインスピレーションを受けるような状況を創り出したのだ。
これはダルマ(法)を示す十二のスタイルのうちの一つだ。

自らが発言することによって、身体に起こるバイブレーションも自分のものになる。有限実行の種が生まれる。
この実行の種をついつい「たとえば・・・」などと言っては摘み取ってしまいがちです。
「バイブレーションを起こさせる技術」=マネジメント術。やる気にさせようなんて思わなくていいんです。そんなものは、自然に本人の中からわいてこない限り、「やる気アピール技法」のコレクションになるだけなんですね。


 「体験」させるだけじゃダメ。
 「発見」が生まれる環境作りを。


般若心経の解説本はこれまで何冊も読んでいましたが、こんな解説に触れるのは初めて。ありがたい教えをいただきました。