うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド(映画)を観てきた


マーティン・スコセッシ監督の「GEORGE HARRISON / LIVING IN THE MATERIAL WORLD」を観て来ました。公開日に行きたいと思った映画は何年ぶりだろうという感じなのですが、なんせ三時間半、休憩を入れて4時間近くの映画なので、休日にやっと行くことができました。
この映画のタイトルは「ジョージの物質世界」。映画の内容は、「精神世界への傾倒から物質世界へ戻ってきたジョージ・ハリスンの話」です。そしてそのキーマンは、ラヴィ・シャンカールノラ・ジョーンズのお父様でもあります(意外と知られていなかったりする)。

はじめのほうでババジの缶バッジをつけたジョージが「クリシュナ、クリシュナ……」とつぶやきながら書面にサインをするシーンがあり、「こりゃ濃そうだわ」という予感がしたのだけど、それを大幅に上回るものでした。
いまのクラプトンもパティもインタビューに登場します。


以下ネタバレしても内容がそれを上回ることが確かなので、「印象深かったシーンベスト10」を発表します。

1位:5拍子リズムをラヴィ・シャンカールから教わる場面(息を呑む)


2位:リンゴの脱退エピソードが、子をなくした母に悟りを教えた仏陀のエピソードと全く同じな件(この話は最高)


3位:ギャルみたいな声で話すマハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(それをそのまま「女みたいな声で〜」と説明するジョンがまた最高)


4位:むずかしい頃のジョージの相手をするポールの母性(ジョージがギリギリすぎて胸が詰まる)


5位:ジョージ脱退騒動について語るクラプトンのインタビューへの返し(クラプトンもジョンも、面白いなぁという話)


6位:ジョージがスワミ・ヴィヴェーカーナンダの言葉の引用をする場面(ヴィヴェたんキター!と、興奮)


7位:精神世界についてのインタビュー討論でジョージとジョンが応答する際の、ジョンの軽さ(あんたLSDの代替になるもののことしか考えてないでしょ、と)


8位:すごいシタール奏者がいっぱいいすぎて、ジョージがロックに戻る決心をしたことを話す場面(この映画の本題でもある)


9位:イケメンすぎる広報デレク・テイラー(ジョージ・マーティンは有名だけど、この人イケメンすぎ)


10位:いまのフィル・スペクターのキャラが面白すぎることになっている(ソフトロックの名プロデューサーがっ!)

ロック・ファンにもヨギにも見逃せない内容であることが伝わりますでしょうか。



まージョージといったら、「一緒にはじめたベンチャー企業の同僚がジョブズゲイツ」みたいな状況なわけで、自己意識への向き合いかたが普通ではいられない就職先を選んでしまったようなもの。そこんとこはオノ・ヨーコのインタビーへの返しが手短すぎる表現でドンズバ。
そしてこの映画を観て「精神世界への傾倒もなく、ひとりで仏陀エピソードを実践しちゃってるリンゴの圧倒的な明るさ」を知る。リンゴを見ているとジョージが禅病に見えるくらい、「自分で都度都度楽しみを見つけられるひとが最強」ということを、あらためて思い知らされるような映画でした。


ちなみにこれ、210分の二部構成映画で、途中休憩10分。
14時の回を観て出たら、もう六本木ヒルズはイルミネーションのお時間でした。


いまどきヨギとか修行とかマントラなんて単語がこんなに何度も出てくる映画はないよ。
この映画で見るラヴィ・シャンカールはいいよぉ。「とうていかなわない人」という描写。


末尾にDVDへのリンクも張りますが、

▼(おまけ)これ読んでから観ると、多少居眠りしても大丈夫。
ジョージ・ハリスン自伝 ― I・ME・MINE(第一部)
ベーシックな予習に。

ジョージ・ハリスン自伝 ― I・ME・MINE(第二部)
もろ映画の内容とかぶる。この、ラヴィ・シャンカールとの交流が映像で見られる感じ。

パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ(インドヨガ時代編)
パティはジョージのはじめの奥さん。かわいい映像はほんの少し。後の奥さんが監修に入っているから、まあしゃーないわな。

パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ(ジョージまで編)
いまのパティもインタビューでもちろん登場。コメントは控えめでした。

初めて買ったマントラCDは、ジョージ・プロデュース
マントラって単語が何度も出てくる映画なので。

サージェント・ペパーのジャケットにまつわるヨガ・エピソード
これ知っとくとだいぶ観やすくなると思う。

「ビートルズ伝説」「ビートルズの社会学」
ポールもノータッチだったわけではなくて、ポールはなかでもヨガナンダを引用している。ここがポールのニクいところだったりする。

「ビートルズ v.s. マハリシ、仲違いの真実」という記事
「7位:精神世界についてのインタビュー討論でジョージとジョンが応答する際の、ジョンの軽さ」と連動。

ビートルズ「ホワイト・アルバム」とヨガ
ジョージの映画だったので「セクシー・セディ」の話は出てこなかったけど。

マハリシ・マヘーシュ・アシュラム(跡地)
ジョージもここで瞑想をしていた。雰囲気の参考に。



▼そこまで深追いしなくてもいいけど、映画に出てきた聖者
愛の叡知 ─ ヴィヴェーカーナンダ講演集
ジョージさんもやっぱそこっスよね、と。

カルマ・ヨーガ(働きのヨーガ) スワミ・ヴィヴェーカーナンダ 著
いいから読め的におすすめしまくっております。

ババジと18人のシッダ―クリヤー・ヨーガの伝統と自己覚醒への道
缶バッジの中の、欽八ヘアの人

新訳 超越瞑想入門 マハリシマヘーシュヨーギー
ジョンいわく「女みたいな声」の人。