うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

女性(あなた)の知らない7つのルール ― 男たちのビジネス社会で賢く生きる法 エイドリアン・メンデル 著


1997年に出た、フィラデルフィアの心理学者さんの著作。
ひとことでいうと、「おだやかではありませんねぇ」という感じ。セクハラにおいては訴訟への準備が自然にあるのがアメリカっぽい。
問いかけの調子がビビッドですごくおもしろいけど、自分がこの本で指摘される男性のような考えをしていることに気づく場面もありました。

 大人の男性にとって、仕事場こそ男らしさを立証する最も重要な場となる。だが、女性の侵入で仕事場は男だけの聖域ではなくなってしまった。女性の存在が男らしさを脅かすと思われている限り、女性は職場における男性の敵対心に直面するだろう。いつかは男性も社会の変化に適応し、男らしさを定義づける新たな方法を見つけるだろうが、現状ではまだ見つけていない。
(161ページ 男性からの攻撃に対抗する手段 より)

同僚ちゃんたちが「あまり収入が増えると旦那さんが "僕もちょっと、休んでもいいのかな〜" みたいな感じで仕事を辞めようとする。草食〜」という話で意気投合しており「それは草食なのではなく、妻を奴隷化する方向で満足したいのでは」と言ったら、「冷静!」とすごくほめられたことを思い出した。持つべきものは冷静な独身の女友達ですよ、主婦のみなさーん(笑)。



 負けるのが怖い? それとも勝つことを恐れている? ほとんどの女性にとって答えは両方だろう。
(28ページ ゲームの目的は勝つこと より)

SEX and the CITY」の場面チェンジで挿入される問いかけっぽい文体がおもしろい。



 情報収集以外でも女性はよく質問をする。質問が人づきあいの一環となっているのである。会話の始まりとか、何かに関心や興味を示す際にも質問をする。
 女性同士の場合には、相手も自分に興味があるから質問すると知っているので、好意的にとらえてくれる。しかし、男性はうるさいとか頼りないと思ってしまう可能性が大きい。
(44ページ 本当に必要なときだけ助言を頼む より)

女性でも、好意的にとらえないと思う。「背景を明確にしつつ具体的な説明を求められる」のはいいのだけど、質問ベースでコミュニケーションを取る人を見ると「脳内がワイドショーの人かな。ニュースサイトのコメント欄にコメントする素養を持っていそう」なんて思う。少数派かな。



本当のことばかりを話す必要はない。正直に多くの情報を与えすぎると、かえって仇となる。

(中略)

誰一人だますべきではないというのが女性の道徳観における重要な部分である。一方、男性の道徳観で一番大切なのは、すべきことを成し遂げること。
(71ページ 嘘も方便 より)

そうそう、仏陀もそう言ってたらしい。仏陀さんは男。



 共感することも人間関係への気づかいもあなたの強みだが、それは弱みにもなり得ることを忘れないでおこう。
(79ページ 顧客や目標に対して客観的になる より)

これは周囲の女性を見ていてそう思うこと、あるなぁ。



 何かを自慢するのは男性の性格の一部。大部分の女性は、自慢を下品で不必要なことと考えているだろう。しかし、その効果を認識することも大切である。
(86ページ 自分をハッキリと主張する より)

自慢が嫌なら、自慢をしなくてもすむマーケットを作ればよいのよねぃ。(リッツ・カールトンの受け売りです)



 負けた場合にも、ユーモアをなくしたり、敵意を抱いたりしてはならない。文句を言ったり、すねたりしてもいけない。泣くのは厳禁だ。皮肉にも、男性の涙は最近好まれるようになってきたが、女性の涙はマイナスにしかならない。
(99ページ 寛大な勝者、潔い敗者になる より)

ギャグセンスは重要。



 ステレオタイプに扱われた場合、その役を演じたいという不思議な欲求に駆られることがある。
(167ページ ステレオタイプなものの見方 より)

この心理へのツッコミは、するどい。これは女性の愚かなところだと思う。



社会には、男性の性衝動は女性の対応で管理すべきという観念がある。セクハラ事件でもデート中の強姦でも、女性が男性の行動を好んでいたために拒絶が足りなかったのだろうとか、そそのかしたのだろうと責められることが少なくない。
(198ページ セクシュアルハラスメント より)

裁判でセクハラ案件を見るとすごくよくわかるけど、「女性はそれを求めている」という発言をする男性が、けっこういる。社員全員が制服×スケキヨのお面で働く会社とかにしないと解決しないフィジカルの問題かも、なんて思う。まあでもいまは「ただしイケメンに限る」という言葉があるので、逆襲はもう始まっている(笑)。


読みながら「これは日本人女性には書けない本だわ」と思いました。日本の国会の明治っぽさったら、「夏目漱石作品の初期の思想か!」と思うもんなぁ。
日本独特のグヘヘな男性社会ではない、新しい体質の企業ではたらく女性にはリアルに役立つことが書いてあると思います。そうでない場合は読んでも手遅れ感が否めません。