うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

「四」の意味、人間の四タイプ(「BIG ME 大きな自分に出会う」より)

宮沢賢治 農民芸術概論綱要」「創造力を豊かにするコツ」「行動心理学、分析心理学」に続いて、「BIG ME 大きな自分に出会う」のなかから「西遊記と、四という数字」について書かれていた興味深い部分を切り出して紹介したいと思います。今回が最後です。
うちこは「ヨガ歴」よりも「西遊記好き歴」のほうが長いです。このブログを開設した初期から、西遊記カテゴリがあります。今日は、内藤さんの本の中に出てきた西遊記ネタをご紹介します。ユングが分類した人間の四タイプに西遊記のキャラクターを当てはめると……、という、とても興味深いお話です。

<137ページ 「四」の意味 より>
 「四」という数字は、「全体性」の象徴だ、とユングはいう。「四」がつくる正方形は、前述のように「円」というマンダラを導くからだ。
 たとえば、ビートルズも四人組から出発し、成長にしたがって解散し、それぞれが独立した。
 昔話や伝説でも、四人組の例は多い。四人がそれぞれの個性を生かして、協力しあい、ひとつの目的を実現する同士となっている。(ここで桃太郎の例が続く)
(中略)

 永遠なるものを求めて中国を密出国し、天竺へ向かう三蔵法師は、思考タイプだ。彼になにかと反抗するサルの孫悟空は、毛が三本足りない分、乱暴な感情タイプだが、ケンカは強い。色と欲しか目がないブタの猪八戒は、感覚タイプで、悟空の敵だったが、闘いの末、強い味方になる。無意識世界を象徴する"水"の中にすむカッパの沙悟浄は、ネクラで否定的だが、カンの鋭い直観タイプだ。『西遊記』も四人組だ。
 実際の玄奘三蔵法師)は、独力でシルクロードを往復し、仏典を持ち帰り、『般若心経』などを漢訳した。しかし、フィクションである『西遊記』がいまだに人気があるのは、普遍的(ユニバーサル)な人間の「全体性」のポイントが、そこに描かれているからだろう。理性によって、思考タイプが、サル、ブタ、カッパを、愚か、アホ、×(バツ)と切っていたら、三蔵の願いは実現しない。
 親子、夫婦、兄弟姉妹、友達、仲間、会社の上司・部下・同僚、近所づきあい、同士の士、同志……等々、自分とちがうから、自分にとって意味があるひとたちはたくさんいる。

よく職場で西遊記になぞらえて人間関係を思う、という話をここで何度か書いていますが(参考「ヨガとインドと(マチャアキの)西遊記」「いのちの食べかた」の最後のほう)、本当に人間関係のバランスを象徴するようなキャストだと思います。平岩弓枝さんの西遊記の感想に「この西遊記は、よくわからないコーチング・マネジメント論(部下育成)の本を読むよりも、ずっとよい。」と書いたとおり。
ちなみにこの本の中ではビートルズや桃太郎、オズの魔法使いなどが例に出てきますが、SATCも四人ね。そして、SATCの場合はサマンサが三蔵になったり八戒になったり、ミランダが三蔵になったりカッパになったり、そんなミクスチャが面白い。傑作だ。

<139ページ 現実世界に開いた、四方向の「窓」……人間の四タイプ より>
ユングは、人間のタイプを四つに分けた。思考、感情、直観、感覚の四タイプだ。それぞれに外向と内向のふたつのタイプに分けられるので、正確にいうと八タイプだ。

(中略)

西遊記』の四人組も、はじめは、それぞれ、敵同士だった。
(以下、著者さんの説明にキャスト名を入れて転記します)

●感情タイプ(悟空)は思考タイプ(三蔵)を、冷酷で不人情な冷血漢と思う。
●思考タイプ(三蔵)は感情タイプ(悟空)を無知な愚者とみる。
●なんでも見たがり、聞きたがり、さわりたがる感覚タイプ(八戒)を、直観タイプ(悟浄)は、グズでノロマでトロい、鈍なやつだと思う。
●感覚タイプ(八戒)は、直観タイプ(悟浄)を、一人よがりで主観的な独善家とみる。

身近な人間関係にあてはめてみると、おもしろい。自分が思考タイプであったり、直観タイプであったり。ジョンが悟空でポールが三蔵で、ジョージが悟浄でリンゴが八戒で……なんて考えてみるのも楽しい。うちこはやっぱりポールとジョージが、好きなんだな。曲の好みとシンクロするかも。
なかなか面白いでしょ。


★内藤景代さんの他の本への感想ログは「本棚」に置いてあります。


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