うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

風よヴェトナム 平岩弓枝 著


ベトナムの歴史を学びたくて読みました。「西遊記」の書き方の視点がいいなと思った平岩弓枝さんの小説。
1998年に出た本なのでそんなに昔でもないのだけど、会話が昔っぽい印象を受けました。98年って、まだこんな感じだったかな。
ベトナムには「過去を忘れず、されど怨まず」という格言があるそう。
ベトナムで事業をする日本人女性がとてもイキイキと描かれていて、読後は「わたしもあまり気乗りしないことに思いを割かず、がんばりたいと思うことを素直にかんばろう」という気持ちになりました。


こういう心理描写のしかたは、この作家さんの特徴なのかな。

とはいえ、電話を切った後で、我ながら調子がよすぎたといった反省も湧いた。恋愛感情がないから軽口が叩けるのだと自分に弁解する気持もある。

西遊記」も、三蔵法師の気持ちが並列つなぎで書かれるのが独特のトーンだった。普段ものを思うときって、こんなふうに、並列つなぎだ。
思考の言葉を直列つなぎにするのはストーリーを作為しているとき。「西遊記」を読んだときに感じたのは、こういう並列のトーンで歴史上の人物の心を描くこと。まるでさっき自分が考えたことのように読めたから、おもいっきりその世界に連れて行ってもらえたのだなぁということに気がついた。