ミス・ミナコ・サイトウ。ミス・ミナコ・サイトウを読んで!
友人がわたしの部屋の本棚を見てこのマントラのようなワンフレーズをつぶやいたとき「誰それ?」と思ったのだけど、この本を読んだ後にわたしの頭の中で「ナカムラ・テンプウ ノグチ・ハルチカ オキ・マサヒロ ミス・ミナコ・サイトウ」というフレーズがワンパッケージで再構築されました。もはや四天王。
読みながら「ユーは中村天風先生なのですか?」「ユーは野口晴哉先生なのですか?」というツッコミが止まらない。なにこの人! 2ページに1回くらいのペースで炎上しそうなことを言っている。
抜き出すときりがないのだけど、それでもちょっと抜き出すと・・・
例えば、"腕力" に自信がない女性というのは、徹底的にマイナーで消極的(ネガティブ)です。電車の中でチカンにあっても、モジモジとされるがままになっているような女性などがその代表で、これをロウワーと呼ばずして何をロウワーと呼びましょうか!! このような女性が生きているという事実そのものが私にとって虫酸の走ることで、チカンにあったら裏拳の一発で、脳震盪のひとつやふたつを起こさせてしまえるように強くなくては、女として恥ずかしいことです。
(第一章 アッパーの論理「腕力」より)
これって要約すると「絶☆対☆積☆極」ですよね? 天風先生ですか?
どんなことでもエネルギッシュに打ち込んでいる人を見ると、誰でもその人に魅力を感じると思いますが、これはその人が自分の顕在と潜在の両面のレベルを一致させているからに他なりません。
(第一章 アッパーの論理「魅力」より)
あなたはもしや、野口先生ですか? え? ちがうの? わかった。沖先生だ! え? それもちがうの? んじゃあ、誰なのよ…
そしてミス・ミナコ・サイトウによるお言葉は第二章へと続き…
人のために何かをするのと、自分自身の愛の発露として人に何かをしてあげるのとでは、その後の展開に大きな差が出てくるばかりでなく、自分自身の成長のために、また、自分自身を輝かせるために人と関わることを覚えると、"高次の愛" からの甘くてたとえようもないほどの透明なメッセージが届くのは時間の問題だ。本当の愛は、常にすべての人を自由にするものである。
(第二章 メンタル・サーカス 人を愛するということPart2 より)
ユーはもしや・・・クリシュナ? クリシュナなのですかっ!?!? ぎゃー。
中尊寺ゆつこさんがあとがきに「実物の斎藤さんはとてもまじめな人」と書いています。なのに、文章になるとギャグが炸裂してしまうみたい…。わたしこういう人すき。すきだわ…。最高にズッキューンときたのはここ。
よく独身時代に「何故結婚しないのか?」と聞かれると、「結婚というのが、愛の最終目的地(テルミネ)だとしたら、これまで結婚したいと思うほど一人の男性を愛したことがない」と、答えていたが、それは何より私が、自分自身を心の底から愛していなかったことが原因だと断言できる。
それまでの私は、そこまでしなくても、と思えるストイックなやり方で自分を追い込んだり、完璧主義すぎる冷静(クール)さで自分を見ることしかできなかったから、そういう波動が、本物に私を出逢わせなくしていたのだった。
(第二章 メンタル・サーカス 人を愛するということPart1 より)
しかもこれを37歳で書いていて(てことは振り返りをしているのは36歳くらいで)、45歳でこの世を去っている。今生を駆け抜けてる。わたしはやっとミス・ミナコ・サイトウがこの世を去る年齢になって上記のことを自分で認めはじめたくらいなのに。
この本は、わたしの部屋の本棚のこの並びを見た友人Sさんに激推しされて知りました。
Sさん:な、なんでここにこの本(叶恭子さんの本)があるのっ?!
Sさん:あのね、うちこちゃん。ミス・ミナコ・サイトウ。ミス・ミナコ・サイトウを読んで!
このようにとにかく読むように言われたので、すぐに買って読みました。
Sさんは昭和の日本映画にものすごく詳しいのだけど、持つべきものは頼りになる人生の先輩であります。
この本は古本で買ったのですが、開いたら本に直書きでこんなメッセージが…
そこはかとないバブルの残り香とヤンキー風味。ユウジではなくユージ。喜ばしてという言文一致の妙。どこにどう磨きをかければいいのか最も重要な部分を省略した雑な文章構成。女性たちがノン・ディグニティであった現実を想起させるに余りある要素がてんこ盛りで、時代を感じます。
しかも誕生日を間違えて二重線で消すとは、どこまでウルトラ・メガ・ロウワーなのでしょう。
やばい・・・。スワミ・ミス・ミナコ・サイトウが(えーいこの際スワミナコサイトウが)、シーがミーの中に乗り移ってきてる!!!
P.S. わたしのヨガクラスで口調がおかしくなっていても、どうかスルーしてくださいね。(けっこう影響されやすいんで)
- 作者: 斎藤澪奈子
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