うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

人間関係は浅くていい。 おちまさと 著


なんとなく例えが上手な人と感じていて、いつか著作を読んでみようと思っていました。
わたしは日常で(状況ではなく文章として)「なんでこんな話しかけられ方をするのだろう?」と、思うことが多いのだけど、この本を読んだら「ああなるほど。みんなこんなふうにコミュニケーションに悩んでいるから、おかしな言葉使いになるのか」というのがわかった。
そんなわたしは、ときどきこういう本を読んだほうがいい。そして、やっぱり期待していたようにおもしろい例えが出てきた!

悪い人間関係とは、例えるなら敵の怪人を倒してもなかなか帰らない仮面ライダーのようなものです。とっくに怪人を倒したのに、いつまでもライダーがそのままの格好でおやっさんのところに居座ったりしていたら、「もしかしてこいつ……もっと褒められたいのか?」と余計な思いを周囲に抱かせてしまいかねません。このように、相手に不必要な感情や行為を強いるような関係は、双方にとって何のメリットももたらさないのです。
(『良い人間関係、悪い人間関係とは?』より)

何のメリットももたらさないかはさておき、すごくよくわかるこの感じ。例えがうまい。


「親友」か「絶交」か。
 子供の頃の人間関係はそういったオール・オア・ナッシング的な価値観に支配されていたといってもいいでしょう。しかしながら当然、学校には「コミュニケーション」の授業などありません。答えは自分で見つけ出すしかないのです。
(『「絶交」はなぜ生まれる?』より)

大人になってもこういうコミットを求める人は多い。40過ぎ、50過ぎのオバハンにも多いので気をつけている。60過ぎはわからん。歓送迎と懐かしみと懇親以外のアジェンダをもって集まれば、こういうことはかなりの確率で回避できると思う。



 自分がこれだけのことをするから、あなたも相応のことをして当然だ、それができないなら ──。こうしていじめへとエスカレートしていくケースが多いことでしょう。だからこそ、他人に対しても自分に対しても人間関係のハードルをあげることは禁物なのです。なぜなら、一度ラインを決めたらもうそこから下げられなくなってしまうからです。
(『人間関係ゴースト説』より)

わたしはこのラインの上げ下げを意識しないですむように、「いま」のコンディションを基準に付き合いをするのがよいと思う。



このシチュエーションにおいては「友」だけれども、別のシチュエーションにおいては「敵」である、それでいいじゃないですか。会社でも一緒に食事にいく人と、一緒に仕事をする人が違っていてもいい。そこを一緒くたにしてしまうから面倒くさいことになってしまうのです。
(『人間関係をひとつの「アプリ」としてとたえる』より)

この著者さんのところへ寄せられる悩みは「いつの時代?」と思われる女子高みたいなネタが多いようで、本を読んでいるとけっこうびっくりする。わたしの場合は元上司だろうがヨガのクラスに来てくれた人にはしっかり運動してもらいます(笑)。仕事で知り合ったのに、人生で初めて倒立して帰る人もいる。そういえば、わたしはヨガアプリの人間版みたいなものなのか。



たとえたくさん集めたとしても、もしくは出席したとしても、それはただの「結果」であり、わざわざそれをアピールすることは無意味なことだと僕には思えるのです。
(『あなたは誰と「つるんで」いますか?』より)

わたしはヨガのワークショップで集合写真を撮る行為に同じことを感じます。経営や講師側の宣材写真のためと思えば、無意味ではないのかな。



 生活している限り、どんな場面でも「人間関係」がついてまわる以上、この「孤独」というものを上手
にコントロールすることが非常に重要です。「孤独」に振り回されるのではなく、「孤独」を認識し自在に使いこなす。それが良い人間関係を築く大事なスキルなのです。
(『孤独じゃないからこそ感じる「孤独」』より)

ええことおっしゃる。



全般うなずくことが多かったのだけど、ひとつだけ「?」という感覚になる文体があった。
実体験の中に登場する「仲良くさせていただいており」という表現。わたしが常々「おかしな表現だなぁ」と思っているフレーズ。人間関係の本なので、ちょっと興ざめのような感覚があった。



わたしはあまり人間関係で悩まないように、孤独を大切に扱うようにしています。人と会ったら犬のように嬉しがる状態にもっていけるように、飢餓感をつくる。なるべくね。
別の言い方をすると、猫にならないようにしています。自分の感覚で人に会いすぎと感じたら、そこは調整のしどきと考えて、孤独体制に入る。その閾値が低いといわれることもあるけど、わたしのさまざまな行為のコンセプトをよく知る人ほど、そこはわかってくれているものと信じています。


いっけんほんわかしてるけど、なんか北朝鮮みたいだなーと思う組織にいる人が読むと、励まされるかも。


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