うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

身体にやさしいインド ― 神秘と科学の国の「生きる知恵」 伊藤武 著

以前紹介した「秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ」と同じ著者さん。すっかり夢中になってしまっております。
この本はおもにインドの食文化を中心に、さまざまなインドの習慣やものの考え方、ほかのアジアの国の文化との関連性が面白く書かれています。ものごとを受け取る感覚、男性ならではの視点、文章のユーモアと抑制、チャーミングなイラスト。とても楽しい。

女性は食事を男性の後に神聖な台所ですることなど、4年前にインドにホームステイに行って感じた食文化について「なるほど、確かにそうだったな」と思うこともたくさん。また行きたいな、と思いながら読み進めました。今回印象に残ったのは、以下のくだり。数字のゼロの概念について。

<96頁から引用>
アーユルヴェーダでは、ゴーパール氏も言ったように、まず食物のことを考える。これには、食べない、ということも含まれている。いや、無いという状態が在る、つまり、零(ゼロ)という概念を発見したインド人の発想に従えば、"無いものを食べる"となる。野獣は具合が悪くなると、あなぐらに篭って無いものを食べて癒す。断食して、体の老廃物を便や汗にして出してしまうわけだ。昆虫や爬虫類も、変態するときには無いものを食べる。断食という手続きを経ることによって、変態を促すホルモンが合成されるのである。インド人も病になると、医者にかかる前に断食することが多い。だいたいはこれで癒ってしまうそうである。毒素が排泄されるとともに、免疫力や治癒力が増大するのであろう。

実家で母と暮らしていたとき、熱を出すと「鼻でも咳でもタンでもうんちでも、とにかく出るものを全部出せ」と命じられていました。断食はしなかったけれども、ひどいときはどうしたって何ものどを通らないので同じこと。今でもその教えを守っています。

★おまけ:伊藤武さんの「本棚リンク集」を作りました。いまのあなたにグッとくる一冊を見つけてください。