またすばらしい本を読みました。
かしこい・かわいい・やさしい・かっこいい・デッサンすごい。この5つの要素がそれぞれ200%ずつの、もう1000%くらいすてきな本でした。
あまりの暑さにワタクシ計算ができなくなっております。パーセントは足したり掛けたりできないのに。まあでもカルロス・トシキも「君は1000%」いうてたし。
この物語には温かい飲み物やうどんが出てくるので、季節的には冬に読むとさらに体感的に迫ってきそう。うどんの湯気の描きかたとか、わぁ~と思うようなすばらしさです。
絵で示される思考世界の説明力が、とんでもないことになっています。
この記事を見ると、その感じがわかります。
著者は最後に、今回は「気持ち」を見えないところにしまった、そして製図ペンを用いたと、ちょっとヒントを漏らしてくれています。
「頭」と「心」のあいだにある「気持ち」が邪魔をしてしまう。努力をしなければ、それがデフォルトだから。それを人は無粋と感じる。センスのいい世界の掟のようなものについて、ちょこっと開示してくれています。
このマンガの中でユカワ君(モデルは湯川秀樹さん)の言う
「可能の世界」には
実現をまっている
無数の事実があります。
そのどれが選ばれるべきかを決定する「法則」は
いまのところ、この地上では見つかっておりません。
のシーンの描きかたのすてきさも印象に残ります。
実現をまっていた無数のイメージと下描きと選択と決定の繰り返しがあって、実現されている。圧倒的な現実に夢があると感じられる本でした。